だしは料理をおいしくする。
あるいは、日本人の味覚の基本であるとも言われる。昆布とかつお節などの節類を中心とした日本のだしは、熟成させた素材から短時間でエキスを取り出すものであり、肉や魚、野菜を長時間煮出して抽出する西洋のソースとは異なる、特徴あるものである。
だしは、なぜおいしいと感じるのだろうか。
私達がだしを好むということは、何を意味しているのか。だしのおいしさとは、うま味と香りによるものなのだろうか。
今号では、だしと日本人の食を切り口に、おいしさとは何かを再考する。だしを基軸にした食文化と食開発、だしと健康、だしとその調和、だしの未来まで展望する。
-目次-≪特集 だしと日本人 生きていくための基本食≫Ⅰ だしはなぜおいしいかだしのプラスαに着目 カギは学習の関与と機能性世界が認めたumamiとその作用だしの構造 グローバルなうま味とローカルな風味香りのちから かつおだしが病みつきになる理由MSGの機能 ストレス軽減と癒しの効果
Ⅱ 素材の底力かつお節 手火山がつくるおいしさ走査顕微鏡で見るカビ菌の細部カツオを知る一本釣りかつお節とまき網かつお節の筋組織の比較昆布 熟成がもたらす風格鶏節 胸肉を使う新たな提案いりこ 瀬戸内海がつくる食文化FROM LAB いりこだしの味覚測定
Ⅲ だしと日本人風味調味料 食卓の定番としての味だしと子どもたち 本物の味は感動を呼ぶ料理人からの提言 だしを味わう
資料編だし素材解剖地図とデータで見るだしだし素材年表だし研究の今だしを取り巻く人々だしの豆知識参考文献
エピローグ
≪連載≫カバーストーリー書を食す…私の履歴書 帝国ホテル厨房物語科学する料理人たち③ 仮説と実験の量がおいしさとなる東中野「サルキッチン」食のアロマ④ 食の演出に添えるレモンの精油日本料理ラボラトリー① これからの日本料理が目指すもの評価の現在③ 官能評価の基本、感覚を測る脳と体とおいしさ④ おいしく味わう能力を身に付けるブランディング④ ブランディングの視点と食感性モデルおいしさを包む④ 色と香りを保つ「削り節の包装」素材を愉しむ④ 味の決め手、だし変敗捜査官の事件簿③ イカ刺しが夜光るおいしい実験生理学③ 肉はうまい編
-著者-【企画委員長】山野 善正 社団法人 おいしさの科学研究所 理事長/香川大学名誉教授
【企画委員】(五十音順)石谷 孝佑 日本食品包装協会 理事長大越 ひろ 日本女子大学 家政学部 教授國枝 里美 高砂香料工業株式会社 研究開発本部新事業開発研究所 専任研究員畑中 三応子 編集者・ライター 編集プロダクション「オフィスSNOW」代表藤村 忍 新潟大学 農学部 応用生物化学科 応用生物化学 准教授/地域連携フードサイエンス・センター 事務局長山本 隆 幾央大学 健康栄養学科 教授/大阪大学 名誉教授
【執筆者】畑中 三応子 編集者・ライター近藤 高史 京都大学大学院農学研究科特定准教授栗原 堅三 青森大学特任教授 うま味インフォメーションセンター理事長伏木 亨 京都大学農学研究科教授斉藤 司 長谷川香料(株)執行役員フレーバー研究所副所長鳥居 邦夫 味の素(株)名誉理事川崎 寛也 味の素(株)イノベーション研究所遠藤 金次 奈良女子大学名誉教授笠原 猛 徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究所研究係長山野 善正 (社)おいしさの科学研究所理事長平松 修一 香川大学農学部技術補佐員安藤 多希子 英国IFPA認定アロマセラピスト山崎 英恵 京都大学大学院農学研究科食の未来戦略講座特定助教國枝 里美 高砂香料工業(株)研究開発本部専任研究員山本 隆 畿央大学大学院健康科学研究科教授石谷 孝佑 (社)日本食品包装協会理事長相良 泰行 東京大学名誉教授、(社)食感性コミュニケーションズ代表理事高橋 恒雄 元宮内庁主厨長、農業生産法人(株)フルタイムファーム会長花田 智 (独)産業技術総合研究所特許生物寄託センター次長小泉 武夫 東京農業大学名誉教授