皆さん、日本で一番小さな市をご存じですか?
正解は、埼玉県にある蕨(わらび)市。
面積はわずか 5.11 平方キロメートルで、日本で最も面積の小さな市です。
なんと、人口密度も全国の市で最も高く、小さな市域に約7万7千人が暮らしています。
そんな蕨市で、2003 年からたった一人で
サンドブラストと向き合い続けている職人がいます。
「ブラスト工房」を営む佐藤さんです。
商品はすべて手作業。
注文数 1 個からでも、その 1 個で仕事の評価が決まるからこそ手を抜かない。
そうして積み重ねてきた技術の先に生まれたのが、蕨市公認ブランド「蕨硝子」です。
ものづくりの面白さはもちろん、
大切な人への贈り物を託したくなる魅力にあふれるブラスト工房さんを佐藤さんの人柄とともに紹介いたします。
ブラスト工房の誕生秘話
まずは、ブラスト工房さんがどんなお店なのかご紹介します。
ブラスト工房さんは、
結婚式や誕生日のギフト、開店祝いや長寿祝いに贈るお酒のボトル彫刻、企業の記念品まで、
サンドブラストという技法でガラスに名前やメッセージ、デザインを彫り込み、
世界に一つだけの品をつくっています。
ブラスト工房を始めた佐藤さんが、サンドブラストと出会ったのは、
18年務めた木材製品のメーカーを退職し、これから何をしようかと考えていた頃。
ふと目にしたのが、「ガラスを彫る」というサンドブラストだったそうです。
「ガラスは、割れるもの。
なのに、彫れる。」
サンドブラストに興味を持った佐藤さんは、教室に通い、実際に挑戦。
やっていくうちに、サンドブラストにどんどん惹かれていったそうです。
佐藤さんが惹かれたサンドブラストとは
何もない透明な空間に、思い描いたデザインを描き、模様を彫ることができる…!
そんな自由さが、サンドブラストならではの面白さだと佐藤さんはいいます。
こちらは、佐藤さんが今年の展示に出品した、三本足のカラス「八咫烏(やたがらす)」を描いた作品。
まるで目の前にいるかのような立体感✨
ガラスにここまで立体的な表現ができるのは、サンドブラストの魅力です。
しかしながら、このような表現をするにはただ、砂を吹きかければいいわけではありません。
例えば、日本酒の瓶とシャンパンの瓶ではガラスの硬さが異なり、砂を吹きかける時間や圧力も変わります。
少しでも力加減を誤れば、ヒビが入ってしまうことも。
一見シンプルに見えて、実は職人の腕がかなり試されるサンドブラスト。
知れば知るほど奥深い技法なのです。
より繊細なガラス表現を求め、技法を磨き続ける
そんな奥深いサンドブラストに向き合い、技術を磨き続けてきた佐藤さん。
これまで、種類や硬さの異なるさまざまなガラス素材を扱い、
一つひとつに合った加工方法を探ってきました。
その積み重ねから、ブラスト工房さんならではの技法も生まれています。
工房での制作に加え、工芸作家として美術展示にも挑戦。
これまで培ってきた技術を生かし、蕨市公認ブランド「蕨硝子」に携わっています。
長年培ってきた技術は、作品やブランドへ。
けれど、佐藤さんが大切にしているのは、より難しい表現ができるようになることだけではありません。
「納期を守ること」、これこそが職人として譲れないこだわりだと話す佐藤さん。
限られた時間の中で、どこまでできるのか。
お客様の希望にどう応えられるのか。
一つひとつ考えながら、仕事に向き合っています。
仕上がりに責任を持つから、できないことも正直に伝える
佐藤さんは、できることと難しいことを曖昧にせず、その都度お客様と話しながら、形を探していきます。
YouTube やブログでも、「どんな加工ができるのか」「どんな場合は難しいのか」を具体的に伝えています。
ブログで思いや注意点をつづってるよ
ブラスト工房さん ブログ
そして、一度引き受けた仕事にはしっかり向き合う。
3日間で100個の商品を仕上げたこともあるそう。
できることも、難しいことも隠さない。
それでも、引き受けた仕事には最後まで力を尽くす。
仕事に対してまっすぐな佐藤さんの姿勢が、長年にわたって多くの人から仕事を託されてきた理由なのだと感じました。
ガラスに刻む特別な一品。技法も、任せる人も選びたい
「せっかく贈るなら、失敗したくない」
大切な人への贈り物は、そんな失敗は避けたいからこそ、確かな技術をもち安心して託せる人にお願いしたいものです。
佐藤さんは、ガラスの性質を見極めながら、削り方や砂を吹きかける時間、圧力まで一つひとつ調整し、今もよりよい表現を求めて技術を磨き続けています。
オーダーメイド品では、ガラスの性質を見極めながら、希望する文字や絵柄がよりきれいに見えるよう、彫り方が調整されます。
あらかじめ用意された商品には、佐藤さんが磨き続けてきた技術や表現が詰まっており、その中から気に入った一品を選ぶことができます。
大切な人への贈り物だからこそ、
何を選ぶかだけでなく、誰が手がけたものなのかにも目を向けてみてはいかがでしょうか。