【紹介】有限の存在である人間は、神の領域をどのように音楽で思い描いてきたか-。カトリックの死者のためのミサ曲として生まれ、時代の死生観を鏡のように映し出しながら、死の意味を問い、魂の救済を祈り続けてきた音楽、レクィエム。中世ヨーロッパから現代日本まで、代表的な一三〇曲余りを取り上げ、一千年に及ぶその歴史を初めて網羅的に描いた画期的名著。
【目次】グレゴリオ聖歌とレクィエム「死を想え」の世紀にルネサンスとレクィエムバロック的レクィエムの諸相劇的レクィエムの出現革命と葬送の構図ロマン主義における死の位相十九世紀末フランスのレクィエム多様化する「死への想念」二十世紀のレクィエム日本人とレクィエム