※オリジナルポストカード封入。
おかんアートは小さな知性への大きな一撃なのか!
どこにでもあって、だれからもリスペクトされることなく、作者本人もアートとはまったく思わず、売ったり買ったりもできず、しかしもらえることはよくあり、しかももらってもあまりうれしくない。ハイブロウでも、ローブロウですらない、ノーブロウの明るい衝撃。コンセプトでも反抗でもない「手を動かす純粋なよろこび」が君を微笑ませ、涙ぐませる。 そんな「おかんアート」をオールカラーで350点以上収録。軍手人形、リボン人形、折り紙手芸からチラシかごまで、可愛くて、懐かしくも新しい⁉作品に加え、カリスマおかんアーティストの紹介や対談を収めた至極のおかんアート作品集。
目次おかんアートが日本を救う
1 そこにあるものを使う 断捨離よりも「いつか役に立つ!」香坂司登美さんのこと大谷知子さんのこと西村みどりさんのことおかんアートが生まれるところ
2 デザインよりも素材感が大事おかんアートの風通し尾本節子さんのこと
3 飾りじゃなくて生活用品 かわいいけれど役にも立ちます伊藤由紀さんのこと
●野村知広さんのチラシ箱
4 ご利益をあなどるなかれ千成春屋のブロック折り紙
●道の駅とおかん
5 もうひとつの折り紙宇宙系谷美千代さんのことブロック折り紙の歴史
●嶋 暎子さんの新聞バッグとコラージュ
6 小さいからかわいい、小さいからたくさんできる森 敏子さんのこと
●キットと教則本びんぼう工作と紺野サキコさん
7 おかんにも推しキャラあり先生の家
●おかんアートの現在・過去・未来都築響一×山下 香(下町レトロに首っ丈の会)
おわりに作品リスト
前書きなどラブホテルから散らかった部屋まで、「マスメディアには取り上げられないけれど、どこにでもあるもの」をこれまで半生かけて取材してきたけれど、おかんアートもたしかにグッドテイストでも、意識高くもない。でも「世の中の大部分はこっちだ!」という自信は、今回がいちばんある。「えーっ、これウチのお母ちゃんそっくり!」「うちの実家にもある!」と思うひとが、ずいぶんいるだろう。そう、数えきれないほどのカリスマおかんアーティストが、日本のすみずみにいて、今日も楽しく手を動かしている。だれにも気に留められず、自分でもアーティストだなんて思ってもいないまま。そういうおかんたちを、「余計なもんばっかりつくって」と上から目線で眺めるか、「なんだかすごく楽しそう!」と下から目線で眺めるかによって、僕ら自身の日々の暮らしも、ずいぶんちがったものになるはずだ。(序文より抜粋)
著者プロフィール都築 響一 (ツヅキ キョウイチ) (著)1956年東京生まれ。1976年から1986年まで「POPEYE」「BRUTUS」誌で現代美術・デザイン・都市生活などの記事を担当する。1989年から1992年にかけて、1980年代の世界現代美術の動向を包括的に網羅した全102巻の現代美術全集『アートランダム』を刊行。以来、現代美術・建築・写真・デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集を続けている。1993年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』を刊行。1997年、『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』で第23回木村伊兵衛写真賞を受賞。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続けている。2012年より有料週刊メールマガジン『ROADSIDERS’weekly』(http://www.roadsiders.com/)を配信中。近著に『捨てられないTシャツ』(筑摩書房、2017年)、『Neverland Diner 二度と行けないあの店で』(ケンエレブックス、2021年)、『IDOL STYLE』(双葉社、2021年)など。