プロアンサー(以下PAC)オリジナルのパン、ショベル用の完全オリジナルでのバルブスプリングになります。
PAC管理人は過去にバルブスプリング破損によるエンジントラブルに何度も遭遇しました。仮にこれらのバイクに使われていたスプリングが純正だった場合は経年劣化という事も考えられますが、どう見てもそれより新しいスプリングも折れているケースがあります。
また、エンジンオーバーホールの際にバルブスプリングを交換したいのですが、現在販売されているショベル以前のスプリングは安いものだと重さも何もかもがチグハグ、ヘタをすれば曲っているとかがあります。
ではアメリカ製のものはというと精度はそれなりに出ているのですが、自由長が短く取付時に弱いとか、その逆に強すぎるとかでノーマルオーバーホール時にどのスプリングを使って見たものかといった状態です。そこでいっそメカニックがオーバーホールする際に苦労せずすっと選べるバルブスプリングを作ってしまったほうが良いのでは無いか?
そうしてこのバルブスプリングが生まれる事になります。
★ショベル以前のバルブスプリングの特徴★PACバルブスプリングの特徴の説明…としたいのですが、そのためにはショベル以前のバルブスプリングが置かれている状況を理解する必要があります。そもそもパンからショベルのバルブスプリングの基本設計は1948年と2026年現在から見れば実に78年も前のものです。パンヘッドの内部を見たことがある人であればわかると思いますが、パンヘッドはパンカバーとバルブリテーナーとの距離が狭く、バルブセット長の許容量を超えるとリテーナーがカバーにあったってしまいます。その構造からスプリングのセット長は現代から見ると極めて短く、このためスプリングの設計に余裕がありません。また、スプリングには現在では一定以上潰さないで使わなければならないというルールがあり、この数値は80%となっています(詳しくはPACのブログにて)。ではこの数値は純正ではどうなっているか?セット長が最小の時、ノーマルカムの場合でこの数値は92%程度です。台湾製のものでは98%とほぼ当たっているものまでありました。アメリカ製の現在一般的に使われている製品でも94%程度とスプリングが安心して作動するための数値が現代においても無視して作られている物が多いのです。
これが散々見てきたバルブスプリングが折れる原因の一つなのは確定的でしょう。
★プロアンサーバルブスプリングの特徴★上記の問題をクリアしたPACのバルブスプリングは以下のような特徴を持ちます。
- バルブオープン時でも80%の余裕があるように
- あまり余裕の無いアウタースプリングを弱め、その分インナーを強めに
- クローズの時は圧を強めに、オープン時はカムや油圧ユニットへの負担を考え弱めに
となっています。これを実現するために線の太さから外径、巻数から材質、自由長までスプリングを構成するすべての要素を完全にゼロから設計しました。また、製造先から製造機械、材料に至るまですべてが日本製ですので、制作工程もJIS規格に準拠しています。材料には新日鉄製のバルブスプリング専用鋼材SWOSC-Vを使用。新日鉄製のこの材料は現在手に入るバルブスプリングの材料としては世界トップクラスの性能を持ちます。特徴としてはスプリング組成が極めて均一なため、どこの部分をとっても均一に潰れるという特徴があります。このため一部分に応力がかかり負担がかかり続けることがないので安定した寿命と性能を発揮することができます。
★ボルトオンハイカムには非対応★一般的なボルトオンハイカムと呼ばれるリフト量が0.405”には非対応になります。本当は対応させたかったのですが、上にも書いたセット長が短すぎるのが仇となり、そこまで設計の自由度がありませんでした。いずれ作りたいとは思っていますが、その際はオフセットカーラーを使った仕様になるとおもいます。あくまでもノーマルカム用のスプリングとなります。