「徳利・伝統」は「ぐいのみ・伝統」のデザインと合わせたデザインの製品です。
このようにセットのデザインとして製作しました。
徳利・玉七宝や徳利・竹林のシンプルなデザインの路線と違い、手が込んでいるデザインです。
徳利・伝統のようにたくさんの斜めの線をカットする際はわずか3cmほどの徳利の口から内部を片目で覗いて削ります。
これが非常に難しいです。
また二重の輪っかの部分は中を覗いて見えない位置にあるので、外側から見て削りますが、色が濃いとどこをカットしているのかかなりわからなくなります。
この場合、長年輪っかを削ってきた手の感覚を信じて目視を信用せずに削ります。
目視だとモヤがかかった先をなんとか見ようとする感じになってカットの手が止まったりするので、手の感覚を信じます。
このような難しい作業は他の工房ではほとんどやりませんし、出来ない職人の方が多数だと思います。
デザイン的にはぐいのみとお揃いで、江戸切子の伝統的でベーシックなデザインという位置づけで考えております。
選ぶのに困った際にはこれを選べば大丈夫という位置付けです。
自分で使用するのはもちろんのこと、人を招いておもてなしをする際などにも当工房のぐいのみと合わせてぜひご利用ください。
同じデザインの「ぐいのみ・伝統」とセットで使用して統一感を出すと、より美しいかと思います。
徳利一覧のページでも記載しましたが、徳利(とっくり)はカットが非常に難しい形状のものです。
ゆえに他の工房でも生産しているところはほとんど無いでしょう。
勘に頼って削る要素が多いので、私自身も出来れば削りたくないというところもあって、徳利の型を続けるか辞めるか検討しています。
特にこの徳利・伝統は他の型と比べ物にならないくらい難しいので安定した製品作りをしたい気持ちとしては特に削りたくない徳利の製品です。
廃盤になる前にお買い求めいただければと思います。