【働き】
- 五苓散(ゴレイサン)という方剤です。水分循環を改善し、無駄な水分を取り除きます。具体的には、はき気や嘔吐、下痢、むくみ(浮腫)、めまい、頭痛などに適応し、さらには二日酔いの諸症状やドライマウスなどにも応用されます。体質(証)にそれほどこだわらず、口が渇き、尿量が少ないことを目安に広く用いられている漢方薬です。
- 【組成】
- 漢方薬は、自然の草や木からとった「生薬」の組み合わせでできています。五苓散には、“猪苓”をはじめ、利尿作用のある生薬がいろいろと配合されています。“桂皮”は軽い発散薬で、頭痛やめまいによいとされます。これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。病院では、煎じる必要のない乾燥エキス剤を用いるのが一般的です。
- 猪苓(チョレイ)
- 茯苓(ブクリョウ)
- 蒼朮(ソウジュツ)
- 沢瀉(タクシャ)
- 桂皮(ケイヒ)
- 利尿作用をもつ代表的な方剤です。主薬の“猪苓”を中心に5種類の生薬からできているので、五苓散と呼ばれるようになりました。
- 漢時代の「傷寒論」および「金匱要略」という古典書で紹介されています。
- 適応証(体質)は、湿証(水分停滞)となります。
通常、成人1日6gを2~3回に分割し、食前又は食間に経口服用します。なお、年齢、体重、症状により適宜増減します