ワインはその嗜好性や芸術性、多様性等において、しばしば音楽に例えられますが、
「ジェラール・メッツ」の当主エリック・カジミールは、両者の関連性を独自に高めた哲学に基づくワイン造りを行っています。
幼少時よりフルートとギターを習い始めたエリックは、音楽に熱中した多感な青年時代を過ごしました。
「ロック、ポップス、モッズ、パンク、ヘヴィメタ、ジャズ、クラシックまで、のめり込みました。
母は一時期の私の髪型を見て卒倒しそうになりました(笑)」。
「ワイン造りに携わるようになってすぐに、これは音楽とまったく同じだと気づきました。
ピアノ曲などの演奏で考えると分かりやすいですが、楽曲は、テロワール。
アルザスのような土壌の複雑さや古樹は、和音の数が増えるといったような音楽性の高まり。
演奏者は、醸造家。楽曲を尊重しながらも自らのイマジネーションをもって解釈し、修練を積んで演奏する。
楽曲の素晴らしさと演奏者の心技が一体となった時、言葉では表現できない何かが、五感に響いてきます」。
「思えば義父ジェラール・メッツの教えも、五感で感じなさい、というものでした。気候の変化を肌で感じる、
畑や樹々の個性を全身で感じる、発酵の様態を体で感じる。大事なことはすべて、言葉では説明できません」。
「心地よい和音のようなハーモニー(調和)とふくよかさが感じられ、
飲むと自分の好きな音楽が自然に聞こえてくるようなワインを造りたいと思っています」。
0.5ha。砂質、粘土石灰質土壌。平均樹齢30年。フードル(大樽)でシュール・リー熟成。
「クレヴネール・ダイリゲンシュタイン」は、今日、ドメーヌが所在するイッテルスヴィレ村から4km北にあるハイリゲンシュタイン村を中心に、
その周辺の指定された区画(合計面積わずか140ha)のみで栽培が認められている品種で、サヴァニャン・ロゼと同義です。
起源等の詳細はまだ謎に包まれたままですが、ゲヴュルツトラミネール種との関連性が高い品種です。
「ライチやマンゴーといったエキゾチックフルーツや様々なスパイスの香りと、濃密なコクを特徴とするゲヴュルツトラミネールに対して、
クレヴネール・ダイリゲンシュタインは、柑橘系の果物やリンゴ、バター、ハチミツのような香りと、きれいな酸、たっぷりとしたミネラル感が特徴で、
食前~食中~食後とすべてこれ一本で通していただける、ガストロノミックなワインです」(エリック・カジミール)。
ほのかに甘みを感じる辛口。
(文:ワインショップfun)
ボディ 甘さ 酸味 果実味 複雑さ 樽香 3 3 3 4 4 2
- タイプ(Type)
- 白ワイン(White wine)
- 生産者(Winery)
- ジェラール メッツ
- 産地(Region)
- フランス>アルザス
- ぶどう品種(Grapes)
- クレヴネール・ダイリゲンシュタイン
- 内容量(Volume)
- 750ml
- 備考(Remarks)
- ビオロジック