不定期刊行マガジン第3弾は、廃墟を総力特集!!『ニッポンの廃墟』(弊社刊)が売り切れちゃったので、2013年の今、楽しめる全く新しい廃墟本作りました!終末観光&ミステリースポット、おもしろコラムも入って第3弾もてんこ盛りでお届けします!!
2010年代、廃墟の最前線をゆく!
廃墟は表立った観光地ではないため、常に「秘密」がつきまとう。廃墟は見慣れた町の中に隠された秘密であり内部にもまた、秘密や謎が隠されている。そして、価値ある廃墟は、物件そのものが秘密となりマニアの好奇心をかき立てる。廃墟に行くつもりじゃなかったのに、知らないうちに廃墟に惹き寄せられてしまう。なぜなら、そこに秘密があるからだ。
今回の特集は、創刊号からのテーマである「終末観光」という視点から、廃墟の秘密に迫った。「時代や土地から見放され今の時代のニーズからズレたとき不思議な魅力を発する場所」。終末観光とは、そういった場所を旅することであり秘密そのものである廃墟もまた、公には語りづらい終末観光だからだ。いずれにせよ一番のポイントは、ズレを発見して楽しむ点にある。一般的な観光地にとっても「ズレ=独自性」は、外せない命題だ。「他では見ることができない」「ここでしか味わえない」そのような場所に、人は集まる。
廃墟の場合も同じだ。物件独自の特徴を発見することで、価値が生まれる。その特徴が世間から大きくズレていると判明したとき廃墟も終末観光も等しく私たちを感動させてくれるのである。
本特集では、廃墟になった理由(閉鎖に至った理由など)や所在地情報、探索時の武勇伝、感動的な廃墟ポエムはなくそれどころか、役立つ知識もほぼ皆無であったりする。日本各地の廃墟から、目に見える特徴や傾向を発見し廃墟をとおして、終末観光との共通点である「ズレ方」についてああでもない、こうでもないと分析とは名ばかりの、おしゃべりをしているのである。廃墟は、終末化というプロセスを通って出た、ひとつの結果である。しかし終末状態の施設が、すべて廃墟になるとは限らない。大半は解体されるであろう。
本特集で「廃墟という結果」の事例に目を通していただいた後にそのひとつ前の状態である「終末期の希少性」に気づき終末観光スポットにも、興味を持っていただけたら幸いである。(本文より)
【もくじ】◆特集◆ 廃墟の秘密。 ~終末観光の切り札~
■廃墟終末処理場乱れネイチャー編/ヒヤリ・ハット編/企業ノベルティ編/お色気サービス編/ラブホ不思議の壁編/謎のメッセージ編■廃墟の秘密。REVIEW八戸漁連/近未来バイオセンター廃墟/K楽園温泉ホテル/NR閣/和賀川水力発電所跡/K道路沿いの未完円形ホテル/洋館風のT鉄工所/怨念旅館/ボウリング場の皮を被った廃建設会社/愛宕山横穴墓群の産業遺跡/Hスイミングスクール/ホテル大宮/T国際スキー場/かっぱ風呂ホテル/下の茗温泉旅館/産地最大!巨大繊維工場/公営Kウォーターパーク/湖畔のグランドホテル/大塩温泉のホテル廃墟/八丈Oリゾート/八丈島の南国廃ホテル/八丈島国際Kホテル/ブロックアート/野趣溢れる南国ロイヤルホテル/なまこ壁の廃ホテル/高原の廃ゲームランド/あじさいの宿/Pランドプール/蒲郡市の小さな廃観光旅館/地場産業のN工業/S発電所/近未来の遊園地ロープウェイ/森で隔離された廃結核病院/麻耶観光ホテル/水没ペンション村/アクア小与島/Y温泉ストリップ劇場/森に埋まった廃遊園地/石膏像の廃校/建て増しM荘/国民宿舎A山荘/スカイレスト・ニュー室戸/屋島山頂駅/龍宮城/イジメもやまる日本発祥の地/小豆島大孔雀園/Dリゾート小豆島/M荘/R山S院/山口秘宝館/亀崎海上ホテル/志高ロープウェイ/無人島の真珠養殖場/H共和国/ヒートゥ島の水族館レストラン/H発電所/安慶名琉映館/軍艦島
北海道から沖縄まで、ニッポン全国の美しくも謎に満ちた廃墟を全58物件レビュー
□編集部対談 終末にこんがらがって、廃墟へ。□廃墟マニア対談 廃墟の秘密。O氏とS氏の場合□鬼束7段の記録□本編アウトテイク写真集□本編未発表写真集□EPILOGUE すべての終末観光は自由をめざす
◆注目特集◆ FEATURE
■WAITING FOR THE 終末観光ワールドオートバイサーカス/足摺海底館/首里劇場/魚津ステーションデパート/回転展望喫茶店手柄ポート/POT HALL(旧・吉田南光園)/マルカンデパート大展望大食堂/八戸ボウリングセンター/津山農協会館
◆連載◆ REGULAR
■ミステリーパトロール中遠ソーラー普及所/富士設計/白金消防団詰所/早吸日女神社/馬渕工業/桃太郎神社/かつらの総合メーカー司屋/ホイールの家/かなやま人の村/お食事処 腹いっぱい/アサヒ薬局/岩保木水門■ローカル三行はみだし情報■COLUMN徳島の性教育食堂(高木壮太)別子飴(藤井佳之)TDL跡地(香山哲)BOOKSTORE BACKYARD REVIEWすべての終末本は書店のバックヤードに流れ着く(花本武・松岡千恵)
◆参加メンバー◆タケピン/鬼束7段/よごれん/くまお/HEBU/芝公園公太郎/啝/JUNK5:55/秋山楓/湯浅順也/ダミアン/ぷゥ/福里さやか/ARROW/高木壮太/香山哲/藤井佳之/花本武/松岡千恵/かもす(週末探検隊)/ほいじんが/知扇/金原みわ/草場啓介/遠藤学/舟橋蔵人/イル・カポネ