【紹介】
大阪の宿にまつわる心霊、都市伝説、異界、奇怪な噂。数々の書き手たちが、身体を張って徹底取材に挑む――。観光本では決して触れられない、「裏の大阪」がここにある。
・某ラブホテルの奇怪なノート・知る人ぞ知る「ほととぎす」旅館の今・新世界某個室ビデオの怪しい交流・西成に存在する特殊文化宿・刑場跡カプセルホテル・押しつぶされる連れ込み宿・ドライバーしか泊まれない旅館 etc…
情報の時代になって、旅はどんどんつまらなくなった。一般のガイドブックを開けば、宿の外観、部屋の写真、料金、設備、口コミ評価、そのすべてが事前にわかってしまう。そんな旅で本当に心は揺れるだろうか。安全で、快適で、そして退屈。そんな宿、記憶にすら残らない。だからこそ、不気味がいい。
この本は、普通の観光では満足できない、軽い中毒者向けと言える。もっと強い刺激を求め、わざわざ危うい路地へ踏み込む。夜中にドアを開けたら、廊下の先に誰かが立っている……。そんな噂話を、心のどこかで期待してしまう人たちのガイドブックだ。普通の観光で満足できる人は、ここで本を閉じればいい。
だが、安全すぎる旅に飽きたあなたなら、わかるはずだ。少し陰った路地の奥に、一晩で人生がわずかに歪む宿があることを。そして、歪んだまま戻ってくることこそが、旅の贅ぜい沢たくだと。荷物は軽く、好奇心は重く。いざ、不気味な宿へ、いってらっしゃい!「INTRODUCTION」より
【目次】
INTRODUCTION
第一章 ホラーな宿狂ったラブホノート (鈴木朋子)車中泊を襲う? 痴漢集団「こたつ会」との接触 (茜あやめ)性死まみれのラブホ街 (西尾融)取り憑き。迷子の宿 (佳原安寿)
第二章 西成の宿ハッテン映画館、オールナイト上映に潜入! (日高ケータ)西成、特殊文化宿─ インタビュー〝釜ヶ崎のアイドルさきそん〟 (橋本未来)三畳一間のヤク中アパート宿 (日高ケータ)電脳系ハッテン試写室、淫夢な夜 (日高ケータ)
第三章 パラレルな宿暗黒色のシミが誘う、泊まれる牛丼屋 (吉村智樹)事故物件と民泊 (鈴木朋子)無法者ゲストハウスから変態の巣窟へ(井上大輔)最低評価ホテルの夜(鈴木朋子)
第四章 ドラマな宿日本語のない宿 (吉村智樹)ほととぎすの鳴く頃─幽霊廃墟が眠る谷(好事家ジェネ)三途の船宿─ 異界ラブホテル(西尾融)不審な事故を呼ぶ「ある近畿地方の場所」 (大森泉)
第五章 怪しい宿スパイ天国、スパイホテル─ 勝丸円覚氏インタビュー(橋本未来)東大阪に現る、生きる都市伝説 (橋本未来)千日前の夜、人は無縁仏になる(関根デッカオ)〝ミナミの九龍城〟ミッテラ会館の刺青どんぶり (日高ケータ)
ボーナストラック 不気味な宿の見つけ方~それでも泊まろうというあなたに~