【紹介】絵葉書となり、流した浮名に庶民が興味津々の芸者・栄龍。鹿鳴館の貴婦人の一人でセレブ中のセレブ、侯爵夫人・鍋島栄子。美人コンテストで一等獲得。初の素人美人、女学生・末弘ヒロ子。彼女たちに代表される美人は、その容姿はもちろん、文明開化の気運がもたらした女性の地位、教育、ファッションなどの変革もあいまって、写真・出版メディアの注目を集めるに至った。黎明期の女性雑誌、明治初期に創刊された「小新聞」を中心に現代にも通じる美しい女性の生き方を問う。
【目次】第1章 写真のあけぼのと明治女性(芸者から読みとく「文明開化」"ゲイシャ"から女優へ-芸能、演劇界の近代化女学生ブーム-「文明開化」の理想の女性)第2章 明治の女性雑誌と新しい"美人"像(鹿鳴館の女性たち-写真に見る国際性憧れの"セレブ"写真女性雑誌の女学生、女性教育者の写真多分野に進出する女性たちの写真)第3章 明治の新聞と「新しい女」たち(ワイドショーの主役、芸者新聞写真のなかの女学生「新しい女」への注目-多様な世界で活躍する女性たち)第4章 写真が変えた日本の結婚(「見合い写真」の登場-地縁を越えた近代的結婚写真見合いへの批判キリスト教式結婚の意味-"恋愛結婚の先駆者たち一夫一婦制の提唱と新聞記事の結婚写真セレブ写真と「花嫁花聟の家庭」結婚写真における和装の意味-日本的「女徳」の表現洋装の"美人"写真赤十字と婦人団体に見る"セレブ夫人"の社会事業「内助の功」の賛美)終章 明治メディアが問いかける"美人"像-色あせぬ挑戦