【紹介】ヴードゥー教からジョージ・A・ロメロを経てアイアムアヒーローまで。フィクション、現実世界を問わず世界中で増殖を続けるゾンビとは一体何か? この現象から何が読み取れるのか? 映画、マンガ、アニメ、ドラマ、小説、ゲーム、音楽、キャラクターなど400以上のコンテンツを横断し、あらゆる角度からの分析に挑んだ、気鋭による記念碑的著作。
【目次】はじめに
第1章 ゾンビ学入門1-1 様々な学問におけるゾンビ研究1-2 現実に存在するゾンビの研究1-3 コンテンツに登場するゾンビの研究1-4 メディアにおけるゾンビの影響や効果についての研究1-5 概念としてのゾンビの研究1-6 比喩としての「ゾンビ」1-7 「ゾンビ学」の範囲と本書の位置づけ
第2章 フレームワーク・オブ・ザ・デッド2-1 メディア・コンテンツと人間2-2 体験者が得る情報2-3 コンテンツ分析の方針2-4 ゾンビ・コンテンツの分析枠組み:時間の推移2-5 ゾンビ・コンテンツの分析枠組み:空間とその移動2-6 ゾンビ・コンテンツの分析枠組み:キャラクターと社会の変化2-7 ゾンビ・コンテンツを研究する
第3章 ゾンビの歴史3-1 ゾンビ映画の公開本数の推移3-2 ナイト・オブ・ザ・ゾンビ・コンテンツ:1930年代~3-3 ドーン・オブ・ザ・ゾンビ・コンテンツ:1960年代~3-4 デイ・オブ・ザ・ゾンビ・コンテンツ:1980年代~3-5 レスト・オブ・ザ・ゾンビ・コンテンツ:1990年代~3-6 ランド・オブ・ザ・ゾンビ・コンテンツ:2000年代~3-7 グローバル&ローカル・オブ・ザ・ゾンビ・コンテンツ:2010年代~
第4章 マルチメディア・ハザード:メディアの発展とゾンビ・コンテンツ4-1 声、文字、印刷と物語4-2 ラジオと電話4-3 インターネットとスマートフォン4-4 映画、テレビ、ビデオ、ゲーム4-5 メディアとコンテンツ4-6 メディアとコミュニケーション第5章 ゾンビとゲーム5-1 ゲームに登場するゾンビを分析する意味5-2 テーブルゲームとゾンビ5-3 RPGとゾンビ5-4 バイオハザード・ショック5-5 シューティング・オブ・ザ・デッド5-6 救出系ゾンビゲーム5-7 ゾンビゲームの憂鬱5-8 ゾンビゲームの爽快
第6章 日本のゾンビ文化考:りびんぐでっど in 日本6-1 マンガとゾンビ:コミック・オブ・ザ・デッド6-2 映画宣伝の時代:邦題のえじき6-3 バタリアンとオバタリアン:日本独自の展開6-4 オタクの登場とメディア:偏見と「萌え」6-5 日本産のゾンビ映画:アングラ・B級からドラマ・劇場公開映画へ6-6 萌えとゾンビ:美少女・アイドル・ダンス6-7 ゾンビの出版事情:翻訳・ライトノベル・マニュアル6-8 ポップでカワイイ、ゾンビたち:きもかわとハロウィン
第7章 ゾンビの特徴とその進化7-1 「ゾンビ」とはどのような存在なのか7-2 ゾンビ化の原因7-3 ゾンビと意識・感覚・感情7-4 ゾンビの食べ物7-5 ゾンビのスピードと他者化7-6 ゾンビの終わり7-7 ゾンビと感染7-8 「感染」の意味するもの7-9 ゾンビ・ジャンルの境界:『バイオハザード』論
第8章 ゾンビと日常/非日常8-1 ゾンビが現れる非日常8-2 非日常で活きる人々8-3 非日常下の「普通」の人:『アイアムアヒーロー』論(1)8-4 英雄がヒーローになるまで:『アイアムアヒーロー』論(2)8-5 ゾンビのいる日常:「非日常」の「日常」化8-6 「日常」を体現するゾンビ
第9章 地獄の歩き方:ソンビ空間・場所・移動9-1 空間と場所の意味9-2 移動か立てこもりか9-3 移動の最終地点9-4 「引きこもり」から「決断主義」、「バトルロワイヤル」へ9-5 世界ゾンビ紀行:『ワールド・ウォーZ』論
第10章 ゾンビ/人間10-1 虚構内存在10-2 人間→ゾンビ10-3 彼女がゾンビになったなら10-4 ゾンビと魔法少女10-5 ゾンビ目線のゾンビ・コンテンツ
第11章 死霊のたびじ11-1 ゾンビ・ツーリズム:観光と認識の硬直11-2 二項対立からの脱却:自律的ゾンビツーリストと個性11-3 人を食わないという選択:ゾンビたちの独自文化の形成?11-4 人間とゾンビの共存:『ウォーム・ボディーズ』と『異骸』11-5 これもゾンビですか?:『進撃の巨人』『東京喰種トーキョーグール』『亜人』
おわりに
参考文献
コンテンツ索引
【著者プロフィール】岡本健 (オカモトタケシ) (著/文)岡本 健(おかもと・たけし) 1983年奈良市生まれ。北海道大学文学部卒業(専攻は認知心理学)、北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院観光創造専攻博士後期課程修了。博士(観光学)。現在、奈良県立大学地域創造学部准教授。著書に『n次創作観光』(NPO法人北海道冒険芸術出版、2013年)、『マンガ・アニメで人気の「聖地」をめぐる神社巡礼』(監修、エクスナレッジ、2014年)、『コンテンツツーリズム研究』(編著、福村出版、2015年)、『メディア・コンテンツ論』(共編著、ナカニシヤ出版、2016年)がある。