紹介「魂と魂が握手するような出会い」を求めて――
オリジナル作品のみを扱った同人誌即売会コミティアは、どのように生まれ、どこへ向かおうとしているのか?
あらゐけいいち描き下ろし漫画収録
オリジナル作品のみを扱った同人誌即売会「コミティア」のイベントカタログ『ティアズマガジン』誌上にて連載された、漫画と同人誌の歴史をたどる証言集「コミティア魂」。コミティアを軸に、イベントが始まった1984年から2024年現在までの日本の同人誌即売会、漫画業界、インディペンデントカルチャーの歴史を紐解く好評連載が待望の書籍化!
『ティアズマガジン』136号(2021年6月6日)~『ティアズマガジン』144号(2023年5月5日)掲載の誌上連載全編に加えて、2020年代について綴った書き下ろし原稿も収録。コミティア会長・中村公彦、BELNE(漫画家)、猪飼幹太(『COMIC リュウ』編集長)、筆谷芳行(コミックマーケット共同代表)など、関係者の「証言」から40年の歩みに迫ります。
また、『日常』『CITY』のあらゐけいいちによる描き下ろし漫画を収録。1980年代、1990年代、2000年代、2010年代&2020年代という4つの時代のコミティアをあらゐ独自の視点から描いています。同人誌『自分たちのコミティア』(発行:ドイスボランチ、発行日:2020年11月23日)に掲載された、あらゐがコミティアに初参加した際の様子を描いたエッセイ漫画「コミティア」も収録され、漫画作品としても楽しめる内容となっています。
新しい才能を見出し続けてきたコミティアは、どのように生まれ、どこへ向かおうとしているのか? 漫画と同人誌の歴史・文化に興味がある人や、出版業界に関心のある人は必読の一冊です。
目次コミティア魂(プロローグ)
●第1部 コミティア前夜第1章 『ぱふ』の時代――創作同人誌即売会と初代代表との出会い
●第2部 1980年代1980年代のコミティア第2章 開始直後の代表交代――安定しないコミティアとBELNEの証言
●第3部 1990年代1990年代のコミティア第3章 コミティア発の作家の登場――地方コミティアの誕生と坂田文彦の証言第4章 VSコミケット――第二ステージの始まりと筆谷芳行の証言資料ページ第4.5章 コミティアとサブカルチャー――漫画同人誌のイメージ向上第5章 with商業誌の時代――BL胎動とJ.GARDENの証言第6章 一九九〇年代のオタクブーム――「青年」の誕生と三崎尚人の証言
●第4部 2000年代2000年代のコミティア第7章 原画展、出張マンガ編集部、ジュンク堂――ネット普及と田中香織の証言
●第5部 2010年代&2020年代2010年代&2020年代のコミティア第8章 第一〇〇回と三〇周年――政治への意識と猪飼幹太の証言第9章 魂を引き継いでいくために――代表交代とさわだの証言
コミティアコミティア魂(エピローグ)参考文献初出一覧
【著者プロフィール】ばるぼら (著/文)ネットワーカー、古雑誌蒐集家、周辺文化研究家。インディペンデントとメディアに関する調査研究を行う。著書に『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』『ウェブアニメーション大百科』『NYLON100%』『岡崎京子の研究』。共著に『消されたマンガ』『20世紀エディトリアル・オデッセイ』『日本のZINEについて知ってることすべて』などがある。https://note.com/bxjp/
あらゐけいいち (著/文)漫画家、イラストレーター。漫画作品に『日常』『Helvetica Standard』『CITY』『雨宮さん』など。2011年にアニメ化された『日常』は海外にもファンが多く、米中韓独仏など各国で出版されている。2023年に個展『あらゐけいいちの空想と妄想と想像と創造展』開催。近年は自作アニメーションをYouTubeで発表。MV制作、広告や教科書のイラストなど、活動は多岐にわたる。