過激な日本未公開アングラ映画を紹介する映画誌『Incognita』
かつて、世間一般が過激な作品に比較的寛容であったVHS時代の20世紀後半、『ソドムの市』や『裸のランチ』『ピンクフラミンゴ』といった発禁をくらうような映画が日本で多く出回っていた。劇場やVHSで気軽にタブーに触れられたのだ。
昨今、映画における過激な描写に対しての風当たりが強くなっている。もちろん、暴力や猥褻、ドラッグ、宗教冒涜などのタブーは到底褒められたものではない。しかし、こういったものを描いた作品は未だに根強い人気を誇っている。タブーというのはそれだけ人を惹きつける力がある。
暴力や流血描写はスプラッター映画として、性描写は様々な映画に少しだけ入り込みながら未だに目にすることは多い。だが、ドラッグや宗教冒涜といったタブーは法規制や多様性の波に呑まれ徐々に表舞台からその姿を消していった。 現在僅かに作られているこれらの作品は、購入はおろかその存在を知ることが難しいほどに内輪で取引されることが多い。
本書はこういった20世紀の過激な映画たちの系譜を継ぐ、21世紀のアングラ映画を知るきっかけになる一冊である
世界中で制作されている映画の本数は莫大な数となっている 。2021 年に劇場またはビデオ公開された映画は 3500 本以上 。これに加え人知れず制作された短編なども含めると IMDb に登録された作品だけで 2 万を超える 。だが日本公開された作品は 1000 本にも満たない 。その殆どはクオリテイから上陸出来なかっただけだが 、 中にはその表現の異常さ過激さから上陸出来なかったものも多くある 。本書ではそういった日本で知られていない作品 50 本をレビューと共に纏めた 。
流血描写や性描写、ドラッグに宗教冒涜など、表現の限界に挑んだ誰も知らない映画たちをご紹介。