【紹介】回春の妙薬・金剛人参を主君のために探し求める武士の慟哭の末路を描く「肉人参」。現代に時間を移し、孫をあいてに、金剛人参を服用したじっちゃんの物語「じっちゃんの肉人参」。他に「プラネット・ブロブディンナグ」「人畜無骸」を含む四作を収録。
初出「肉人参」……「バディ」2017年4、6月号「じっちゃんの肉人参」……「バディ」2017年9、11月号「プラネット・ブロブディンナグ」……「バディ」2015年11~12、2016年2、4、6、8、10、12月号「人畜無骸」……「バディ」2009年9~11月号
目次◎肉人参◎じっちゃんの肉人参◎プラネット・ブロブディンナグ◎人畜無骸
・初出一覧・あとがき・プロフィール
前書きなど本書の刊行に際して、版元ポット出版プラスの皆様、今はなき掲載誌「バディ」関係者の皆様、応援してくださった読者の皆様、そしていつも横で私を支えてくれる《とうちゃん》に、心より御礼を申し上げます。この『肉人参/人畜無骸』は、復刻版を除く新作ゲイエロマンガ単行本としては、2017年の『奴隷調教合宿』以来4年ぶりの発行になります。その間に、単行本としては復刻版『嬲り者』『柔術教師』、全年齢層向けマンガ『弟の夫』『僕らの色彩』、語りおろし本『ゲイ・カルチャーの未来へ』、編纂画集『日本のゲイ・エロティック・アート vol.3』などを上梓させていただきましたが、ゲイエロマンガを発表できる商業媒体、つまり紙媒体によるアダルト向けゲイ雑誌は、2019年1月の「バディ」休刊に続き、最後に残った「サムソン」(こちらはお仕事をさせていただいたことはありませんでしたが)も2020年4月に休刊し、完全に消滅しました。かつてゲイ雑誌が4誌、6誌と覇を競い、別冊なども旺盛に出版されていた時代を知る身としては、何とも淋しく思います。現状、私のゲイエロマンガ発表の場は、紙や電子書籍による同人誌や、pixivFANBOXといったネット上の創作支援ファンコミュニティになっています。これはこれで様々な可能性もあって興味深いですが、やはり月刊のゲイ雑誌でのレギュラー掲載と比較すると、締切や稿料が発生しないということもあって、制作ペースがガクンと落ちてしまうのも事実です。今後も変わらず「ゲイが描くゲイ向けのエロマンガ」にはこだわっていきたいですが、はてどうなりますやら……。
【著者プロフィール]田亀 源五郎 (タガメ ゲンゴロウ) (著)ゲイ・エロティック・アーティスト。1964年生まれ。多摩美術大学卒業後、アート・ディレクターをしつつ、1986年よりゲイ雑誌にマンガ、イラストレーション、小説等を発表。1994年から専業作家となり、ゲイ雑誌『G-men』(ジープロジェクト)の企画・創刊にも協力。同時に、日本の過去のゲイ・エロティック・アートの研究、およびその再評価活動を開始。また、フランス、アメリカ、イギリス、ドイツなどのゲイ・メディアでも活動開始。2006年『G-men』企画より離脱。『弟の夫』で、第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞(2015)、第47回日本漫画家協会賞優秀賞(2018)、アメリカ:アイズナー賞最優秀アジア作品賞(2018)、ドイツ:ルドルフ・ダークス賞(ドイツ) ベスト・アーティスト賞 アジア・シナリオ部門(2019)を受賞http://www.tagame.org/