【紹介】みんなが貧しかったけれど、夢と希望は抱えきれないほどあった昭和の高度成長期。東京タワーが完成した昭和33年、東海道新幹線開業と東京オリンピック開催に沸いた昭和39年…。テレビや電気洗濯機、冷蔵庫などが次々と登場し、日本中が高揚していた希望溢れる時代は、その一方で長閑な風景や慣れ親しんだ道具の数々を失う始まりでもあった。昭和の暮らしの風景を切り絵とともにたどるエッセイ集。
【目次】第1章 まちの景色ボンネットバス/伝言板/方向指示器/ホーロー看板/郵便小包/鉄道の切符/経木/竿ばかり/鋳掛屋のおじさん/量り売り/新聞配達/呼び出し電話/カナカナ/ツバメ/柳行李/行商のおばちゃん/たき火/餅まき/節気払い/春の小川/源氏ボタル/もみ殻
第2章 子ども界の掟スカ/ニッキ紙/サイダーとラムネ/アイスキャンディー/サワガニ/ホッピング/おかっぱ/ズック靴/吊りスカート/風呂敷/シェ―/映画教室/麦わら帽子/用水路/肥後守/少年漫画雑誌/学校の音楽室/渡り廊下/廊下に立たされる/クワガタ名人/新しい靴/おさがり
第3章 日々の暮らし手水器/イスの脚カバー/戸締り/打ち水/玄関土間/おひつ/洗濯機/冷蔵庫/ヒューズ/台風/もらい湯/とんぷく/食べ合わせ表/寝押し/湯たんぽ/ナフタリン/火吹き竹/七輪/アマミゲン/豆炭アンカ
第4章 夢と憧れ月光仮面/東京オリンピック/スバル360/文通/貫禄/少年探偵団/真空切り/まぼろし探偵/怪傑ハリマオ/シャボン玉ホリデー/外人レスラー/サーカス/渡り鳥シリーズ/モスラ/オクラホマミキサー/一張羅/日光写真/舶来品
第5章 昭和の空気半ドン/赤チン/名札/ガリ版/1ドル360円/アベベ/オート三輪/チッキ/一人旅/タバコ/ポン菓子/バナナ/粉末ジュース/味噌っ歯/柱時計/テレビのダイヤル/電報/物の値段/テープレコーダー/靴下/明治生まれ
【著者】村上保 (ムラカミタモツ) (著/文 | イラスト)彫刻家・イラストレーター。1950年愛媛県生まれ。東京学芸大学卒業。彫刻で文化庁派遣芸術家として英国留学。モダンアート展、鹿島彫刻コンクール等で受賞。第一生命保険ビル(東京)、愛媛県美術館、アートジーンギャラリー(英国)ほかに収蔵彫刻作品。東京学芸大学非常勤講師。フォーラムアートショップ (東京国際フォーラム)、銀座ソニービル(東京)、山荘画廊(愛媛)、さん太ギャラリー(岡山・山陽新聞社)ほかできりがみ個展。著書・共著に『村上保彫刻作品集Ⅰ・Ⅱ』(エキジビションスペースAPJ)『イラストレーション入門』(日貿出版社)『あそびの記憶』(文・土肥あき子、明治書院)『村上保きりがみ作品集』など多数