紹介明治期から盛んに開催された博覧会は、昭和期に入ると爆発的に増えて毎年各地でさまざまなテーマで観客を集め、満州や朝鮮でも植民地支配の正当化と対外宣伝としても機能した。モダニズムに彩られた絵はがきを通して、近代化と植民地支配の時代を描く。
目次はじめに――博覧会と絵はがき 高橋千晶
第1章 産業振興と鉄道 大平奈緒子汽車博覧会(一九〇六年〔明治三十九年〕九月―〔巡回〕)電気博覧会(一九一八年〔大正七年〕三月二十日―五月二十日→十日間延長で五月三十日まで)工業博覧会(福岡市)(一九二〇年〔大正九年〕三月二十日から五十日間)電気大博覧会(一九二六年〔大正十五年〕三月二十日―五月三十一日)大礼奉祝交通電気博覧会(一九二八年〔昭和三年〕十月一日―十一月三十日〔二日間の会期延長があり十二月二日まで〕)昭和産業博覧会(一九二九年〔昭和四年〕三月二十日―五月十三日)上越線全通記念博覧会(長岡市)(一九三一年〔昭和六年〕八月二十一日―九月三十日)第三回化学工業博覧会(一九三一年〔昭和六年〕三月二十日―四月十日)姫津線全通記念・産業振興大博覧会(一九三六年〔昭和十一年〕三月二十六日―五月五日)
文士・美術家たちの博覧会 山田俊幸拓殖博覧会(東京)(一九一二年〔大正元年〕)東京大正博覧会(一九一四年〔大正三年〕)家庭博覧会(東京)(一九一五年〔大正四年〕)上越線全通記念博覧会(長岡市)(一九三一年〔昭和六年〕)
博覧会と伝統 井並林太郎
第2章 対外宣伝と植民地 高橋千晶京城博覧会(一九〇七年〔明治四十年〕八月八日―九月十五日)日英博覧会(一九一〇年〔明治四十三年〕五月十四日―十月二十九日)明治記念拓殖博覧会(東京、一九一二年〔大正元年〕十月一日―十一月二十九日/大阪、一九一三年四月二十一日―六月十九日)市制十周年記念大連勧業博覧会(一九二五年〔大正十四年〕八月十日―九月十八日)始政二十年記念朝鮮博覧会(一九二九年〔昭和四年〕九月十二日―十月三十一日)日本海海戦二十五周年記念海と空の博覧会(一九三〇年〔昭和五年〕三月二十日―五月三十一日)満州大博覧会(一九三三年〔昭和八年〕七月二十三日―八月三十一日)国防と産業大博覧会(一九三五年〔昭和十年〕三月二十七日―五月十日)始政四十周年記念台湾博覧会(一九三五年〔昭和十年〕十月十日―十一月二十八日)輝く日本大博覧会(一九三六年〔昭和十一年〕四月十日―五月三十一日)高山本線開通記念日満産業大博覧会(一九三六年〔昭和十一年〕四月十五日―六月二十日)岐阜市主催躍進日本大博覧会(一九三六年〔昭和十一年〕三月二十五日―五月十五日)
博覧会と写真 高橋千晶写真絵はがき――記録・報告するメディア写真壁画――宣伝・扇動するメディア
博覧会と戦争 福間良明戦意高揚と博覧会擬似戦場体験のメディア「聖戦」の綻び
第3章 家庭と消費文化 前川志織東京勧業博覧会(一九〇七年〔明治四十年〕三月二十日―七月三十一日)全国子供博覧会(一九〇八年〔明治四十一年〕十月一日―二十一日)第一回児童博覧会(一九〇九年〔明治四十二年〕四月一日―五月三十一日)東京文化博覧会(一九二五年〔大正十四年〕九月十五日―十月十四日)皇孫御誕生記念こども博覧会(一九二六年〔大正十五年〕一月十三日―二月十四日)皇孫御誕生記念京都こども博覧会(一九二六年〔大正十五年〕七月一日―八月二十日)万国婦人子供博覧会(一九三三年〔昭和八年〕三月十七日―五月十日)日本婚礼進化博覧会(一九三六年〔昭和十一年〕三月二十日―五月十日)
博覧会と女性――万国婦人子供博覧会に注目して 石田あゆう女性と消費生活アンビバレントな女性消費者
博覧会と美術――「博覧会の美術館」を糸口に 前川志織
第4章 建築と都市文化 天内大樹東京大正博覧会(一九一四年〔大正三年〕三月二十日―七月三十一日)平和記念東京博覧会(一九二二年〔大正十一年〕三月十日―七月三十一日)日本建築協会住宅改造博覧会(一九二二年〔大正十一年〕九月二十一日―十一月二十六日)大大阪記念博覧会(一九二五年〔大正十四年〕三月十五日―四月三十日)御大礼記念国産振興東京博覧会(一九二八年〔昭和三年〕三月二十四日―五月二十二日)大礼記念京都博覧会(一九二八年〔昭和三年〕九月二十日―十二月五日)復興記念横浜大博覧会(一九三五年〔昭和十年〕三月二十六日―五月二十四日)名古屋汎太平洋平和博覧会(一九三七年〔昭和十二年〕三月十五日―五月三十一日)
博覧会とデザイン――絵はがきデザインから見る博覧会 大平奈緒子
博覧会と建築 天内大樹
第5章 観光と地域振興 熊倉一紗全国産業博覧会(一九二六年〔大正十五年〕四月一日―五月十日)全国産業博覧会(一九二七年〔昭和二年〕九月十一日―十月二十日)東亜勧業博覧会(一九二七年〔昭和二年〕三月二十五日―五月二十三日)大日本勧業博覧会(一九二八年〔昭和三年〕三月二十日―五月十八日)東北産業博覧会(一九二八年〔昭和三年〕四月十五日―六月三日)産業と観光の大博覧会(一九三二年〔昭和七年〕四月十二日―六月五日)伊賀文化産業城落成記念・全国博覧会(一九三五年〔昭和十年〕十月十二日―十一月十日)新興熊本大博覧会(一九三五年〔昭和十年〕三月二十五日―五月十三日)国産振興四日市大博覧会(一九三六年〔昭和十一年〕三月二十五日―五月十三日)国際温泉観光大博覧会(一九三七年〔昭和十二年〕三月二十五日―五月十三日)北海道大博覧会(一九三七年〔昭和十二年〕七月七日―八月三十一日)
博覧会と観光 千住 一
博覧会と広告 熊倉一紗
昭和戦前博覧会年表 安田政彦