【紹介】菊地成孔氏(音楽家・文筆家)推薦!!
土器や土偶にえがかれた線、円、点、螺旋といった我々を魅了する幾何学的な文様。これらがもしも太古の人体にきざまれていたとしたら――。世界中に残る痕跡をたどり、太古に失われたタトゥーを現代人に彫り込み「モダン・プリミティブズ」へと身体のアップデートを目指す壮大な試み。
【目次】序章戦後何度目かの縄文ブーム!世界が求めた縄文時代のタトゥー復興「縄文族 JOMON TRIBE」始動縄文時代にタトゥーはあったのか文様はどこから来て、どこへ行ったのか?
1 アカデミックな世界での縄文タトゥー論争高山純『縄文人の入墨』の功績縄文の耳飾りはどこから来たのか縄文時代の「身体変工/身体改造」『魏志倭人伝』の黥面文身モースの縄文発見のときからあった謎民族例から見えてくる〝縄文タトゥー″の姿タトゥーからわかる人類の拡散と文化の伝播
2 北海道縄文遺跡の旅なぜ、北海道に縄文リサーチに行ったのか再生のシンボリズムで文様を読み解くタトゥーにするなら効き目抜群の文様真っ白な貝塚に「ゴミ捨て場ではない」と納得縄文土器の文様はどのように施されたのかタトゥーの道具にもなり得る骨角器の数々黒い貝塚と不思議な副葬品山と海に恵まれた函館の縄文秘境縄文遺跡からのメッセージ
3 岡本太郎から学ぶ縄文岡本太郎と縄文土器日本美術史は縄文からはじまる太陽の塔が伝える縄文の魂縄文を探す旅から野生の思考へケルトと縄文に共通する世界観
4 「縄文族 JOMON TRIBE 」の全貌ブラックワークのスペシャリスト大島托との遭遇最も原始的なタトゥーの現場を訪ねて民族タトゥーの復興とブラックワークの未来九〇年代の世界的なタトゥー流行なぜ、縄文人はタトゥーを彫るのか?原始的な手彫りと最新のタトゥーマシーンアートギャラリーでの展示と海外進出メイキング・オブ「縄文族JOMON TRIBE」大島托×ケロッピー前田いつかは誰かがやらなきゃいけない〝最初の縄文人(The First Jomon Man)゛の登場
5 パリ、ケ・ブランリ美術館のタトゥー展タトゥー人気を象徴する大規模展示なぜ、世界的なタトゥーブームが起こったのか?古代、すべてのタトゥーをした人たちタトゥーマシーン登場と日本の刺青民族タトゥーの復興と現代のタトゥーアカデミックな世界でタトゥー研究が進んだ理由百年前にもあった世界的なタトゥー流行夢のタトゥー・ミュージアムが残してくれたもの
6 失われつつあるタトゥー文化を復興せよ!ロスで体験したフィリピンの原始的な手彫り絶滅寸前の首狩族カリンガのタトゥー失われたタトゥー技法と文様を蘇らせる本当に人間の首を狩ったナタを持ってみる
7 タトゥー人類学者ラース・クルタク原始的なタトゥーを自ら体験する理由最も古いタトゥー文化を残しているのはどこかミイラにみられる医療目的のタトゥー
8 タトゥーをしたミイラに会いに行く!人類最古の芸術行為は洞窟壁画か、タトゥーか皮膚の上に動物たちがひしめくパジリクのミイラアイスマンから学ぶ、古代のタトゥー
終章 縄文タトゥーを復興するのは一万年後の未来のため日本にもタトゥーカルチャーの新しい風が吹く失われた沖縄のイレズミ文化「ハジチ」タトゥーを通して、縄文の文様を世界へ、そして未来へ
あとがき参考文献
【著者】ケロッピー前田 (ケロッピーマエダ) (著/文)1965年東京生まれ、千葉大学工学部卒、白夜書房(コアマガジン)を経てフリーランスに。世界のアンダーグラウンドカルチャーを現場レポート、若者向けカルチャー誌『ブブカ』『バースト』『タトゥー・バースト』(ともに白夜書房/コアマガジン)などで活躍し、海外の身体改造の最前線を日本に紹介してきた。近年は、ハッカー、現代アート、陰謀論などのジャンルにおいても海外情報収集能力を駆使した執筆を展開している。主な著書に、前田亮一『今を生き抜くための70年代オカルト』(光文社新書)、ケロッピー前田『クレイジートリップ』(三才ブックス)『クレイジーカルチャー紀行』(角川書店)など。
大島托 (オオシマタク) (著/文)タトゥーアーティスト。1993年に世界一周の夢を抱き、最初に訪れたインドでタトゥーと出会い、その後にプロの彫師となる。黒一色の文様を刻むトライバル・タトゥーおよびブラックワークのスペシャリストとして国際的にも高く評価されている。ポリネシア(タヒチ、ニュージーランドなど)を訪ねて部族的文様を学んだ他、ボルネオのイバン族、カリマンタンのダヤク族、スマトラのメンタワイ族、インドのナガ族など、最も原始的な民族タトゥーを残す地域に実際に赴いてリサーチし、それらを再現するばかりでなく、現代的なタトゥーデザインに取り入れて洗練された作品へと昇華させていくクリエイティヴィティの高さには定評がある。