【5首】もういやだ死にたい そしてほとぼりが冷めたあたりで生き返りたいともだちはみんな雑巾ぼくだけが父の肌着で窓を拭いてる河川敷が朝にまみれてその朝が電車の中の僕にまで来るそうだとは知らずに乗った地下鉄が外へ出てゆく瞬間がすきつよすぎる西日を浴びてポケットというポケットに鍵を探す手【著者プロフィール】1980年大阪生まれ。2011 年に短歌を始める。まもなく木下龍也の作品に出会い、刺激を受けて作歌を続ける。2012 年、結成当日解散型不定形ユニット「何らかの歌詠みたち」を始動、短歌朗読をしたり作品集をつくる。2013年、田中ましろの企画・制作による「短歌男子」に参加。2014年、連作『選択と削除』で第57回短歌研究新人賞次席。