孤高の芸術家J・A・シーザー初の自伝の書。
これは、我多史の本である。
手帳や失敗したコピー用紙、広告やチラシなどの裏や、
枕元やトイレに置かれたノートに殴り書きされた思いつきや記憶という、
ほとんどあてにならないメモ(誰かが言った言葉や何の気なしに耳に入ってきた言葉も含め)を、
ほとんど手直しなしでまとめてみた。
エッセイ風なもの、マムブル語録風なものを順不同、日付なしで。
完成のないジグソー・パズル、字が埋まることのないクロス・ワード、上がりのない双六、
幻の蒸気機関車の時刻表、嘘という真実の書かれた駅の伝言板といった造語。造文。体語。体文。
自分状況状態語。環境状況状態語。
確かなのは1970年から2013年あたりまでのものということだ。
これらは、記述という行為で点描されたわたしの地図であり、
脳裏に刺青されたわたしの肖像史である。