子宮摘出をしたら女でなくなるの?
子宮内膜症の主人公。子宮を摘出する前後で性感の違いはあるのか、を検証するために奔走する。
「初の同人誌を引っ提げて、11月に東京で開催される第27回文学フリマに初出店したい!そこでの様子を見て、できれば12月のコミケも参戦したい!同人誌展示即売会という未踏の地、勝手がわからずちょっと怖い気もするけれど、それでも届けたい作品があるのです。本作はそんな著者の想いから、クラウドファンディングを経て出版されました。
【「失職女子を文学フリマに連れてって」プロジェクトチーム 編集Mさんより】大和彩は2014年に『失職女子。 ~私がリストラされてから、生活保護を受給するまで』(WAVE出版)を刊行。内容は、タイトルそのまんまです。その後、自身の抱える心身の病とともに生活をつづけてきました。
その大和が次に書きたいと思ったのは、長年つき合ってきた病にやっと打つことができた、ひとつのピリオドについて。そして、そのときに突如わいてきた、ある衝動について。その一部始終は、女性向けwebサイトmessyで2017年6月〜2018年2月まで連載コラムとして配信されました。▼子宮がなくなると女じゃなくなる? そんなバカな!大和が長くわずらってきた病気とは、子宮内膜症です。よく聞く病気ではありますが、その症状の出方は人それぞれ。大和はかなりの重度でした。2017年、ついに子宮摘出手術が決定!病気のことを考えるとグッドニュースでしたが、大和には一抹の不安もありました。「子宮をとったらもう女じゃない」「性生活も変わってしまう」そんなウワサが世の中にはあるのです。ひどい話です。そう思った大和の胸に、衝動が走りました。「それがウソってことを、私が自分の身体で証明しよう!」しかしその時点で、大和はノー性生活な10年を送っていました。こんなんじゃ証明できない…………。そして始まったのが「子宮のある/なしで感じ方は変わるのか大検証!計画」です。マッチングアプリや、超オトナの社交場。手術を間近に控えた大和は、これまでの人生でおよそ接点がなかったさまざまな男性たちと出会っていきます。
そもそも著者がweb連載をはじめたのは、子宮摘出手術を勧められながらも「女じゃなくなりそう」「性生活も愉しめなくなるのでは」という理由で手術をためらう女性たちのために、本当のことを知ってほしいから、でした。本作は「女性を女性たらしめているのは何か」「女性が自分の思う性生活を実現するには」「女性にとって子宮とは何なのか」など、重要なテーマをいくつも含んでいます。「子宮を取ったからといって、女性じゃなくなるわけじゃないし、性生活にも支障はない。病気の治療のために子宮摘出を検討している女性は安心してほしい。」なかなかメディアで語られることのないこのメッセージを、日本中の人たちに届けたい。web連載のときよりさらに多くの女性に、いえ男性にも、すべてのセクシャリティの人に。それがこの作品の想いです。
発行者:Gorilla Bunnies(大和彩)Twitter編集:Gorilla Bunnies(三浦ゆえ)B5版:110ページ発行日:2018/11