ようこそ謎と怪奇の廃人形ショウへ
廃墟や路上で朽ちた人形には、現役スポットの人形にはないユーモラスで不思議な味わいが宿ることがある。ポンチハンター氏が切り取る廃墟の世界は、経年劣化や、人為的なイタズラ、自然による変化で意図しないユーモアが出現したときに冴えわたる。ヒザカックンされたときのような、なんともいえない脱力感に満ちたシュールな空間。何度見ても笑ってしまう、生きたことはないはずの人形たちのふるまい。人間よりも人間味あふれる廃人形たちに、魅惑の世界へと誘われる。そこには人間的なユーモアと、ちょっとしたお色気と毒が混ざり合っている。廃墟を美しいだけの芸術的な被写体としてではなく、煽り立てるだけの心霊スポットでもなく、産業遺産として保護対象に変えてしまうのでもない。既存の態度とは一線を画した独自の廃墟へのまなざしと楽しみ方がある――。
【目次】・謎と怪奇の廃人形ショウ・廃人形セレクション30・倒れゆく廃人形たち・ふしぎな廃人形があの世とこの世を繋ぐ・闇に浮かぶ生首がきみを襲う・顔のないロボットの反乱・逃げまどう人形たちの足音が聞こえてくる・廃墟に隠されたタブー・著者インタビュー「ふしぎな廃人形と出会う」・解説 小嶋独観
【著者プロフィール】ポンチハンター:廃墟&珍スポ愛好家。小さい頃から廃墟や珍スポが好きという変わった子どもだったので、高校時代にバイクの免許を取ると当然のように廃墟&珍スポ巡りを始める。その後、四輪の免許を取得し活動範囲を拡大。インターネットで情報を集めやすくなったことも後押しして、今では日本全国の廃墟&珍スポを訪ね歩いている。1989年の大滝ランド訪問で廃墟の人形の魅力に開眼。廃墟に残る人形情報の収集に余念がない毎日を送っている。ブログ:ポンチハンター2.0