ハンザ同盟の船をハンザコグといいいました。コグには「歯車の歯」という意味があるそうです。これらの船の共通点としては、ローマの商船のようにずんぐり型であり、吃水も深く、他方、北欧の船としてクリンカービルトで造られている点です。マストはたいてい1本で横帆のみで、 直線的な船首を持つものが多く見られます。特に、重要なこととしては、コグ船の中には、それまでは船の側面に取り付けられていた舵を、はじめて現在の船のように船尾の中央部に設けたものがあるという点があげられます。(12世紀終わり頃には既にみられています。)また、ガレー船が使用できないような海域での戦闘には、この手の船に、船首や船尾に大砲を設置したり、矢を射るための仮設の船楼が設け、使用されています。(たいていは船尾に設けられていたようです。この仮設の船楼を、平時も商船としての自衛のため残していることがおおかったようです。)なお、発掘されたコグが、ドイツのブレーメルハーフェンの海事博物館に保存展示されています。
・船体組み立て方式:バルクヘッド(フレームとキールを組み合わせる方式)・船体外板:シングルプランク(一重貼り)・飾り台:付属しています