ワイングラスのデザイン14種類ほど考えてきましたが、縦横にきっちり削る伝統的なデザインが多かったように感じたので、縦横の枠組みを作らない自由な感じのデザインを考えていました。過去に作った祝杯角タンブラーのデザインがワイングラスに良い感じで合致すると思い、祝杯角タンブラーのデザインを原案としましたが、形状が大きく違うのでデザインの調整を行いました。最初は構想図に従ってカットしておりましたが、途中から直感的に削りたいカットがいくらか出てきてしまったので、構想図に従わずに直感的に削ってアレンジしました。グラスにはお水が入っておりますが、飲料の色も十分透過して見えるので、ワインの色を楽しみたい人にも配慮したデザインとなっております。中心に位置する細かいカットは菊繋ぎ(きくつなぎ)という伝統的な文様です。伝統的なカットの中でも一番難しいレベルのものです。菊繋ぎは長寿、無病息災、健康、高貴など良い意味が込められている縁起の良い伝統的な文様です。口元は口当たりを良くするために半円状に薄く擦っております。10パターンほど試しましたが、この半円状に擦った時に一番口当たりが良くなると断定したので、採用しております。また下部のカットはかなり深めのカットを3本意図的に並べているので、カットのエッジを楽しめるかと思います。通常のワイングラスでは体感することのできないグラスの触り心地良さを体感してほしいと思います。伝統的なデザインとオリジナリティの中間くらいのデザイン、さらに論理的数学的なデザインと直感的アート的なデザインの中間くらいでもあります。かなりバランスが取れている素晴らしい型です。口当たり、手触りにも配慮し、視覚以外の感覚でも楽しめるようになっているグレードの高いデザインです。自分用、贈り物、お店のブランドイメージアップ等にご検討頂けると幸いです。