ブルゴーニュ型のワイングラスの第三弾ということで製作に取り組みました。
よくわからない方は前のページの「ワイングラス一覧」にワイングラスの型の説明をしておりますので、ご確認下さい。
第一弾、第二弾は伝統的な文様を施したものだったので、今回の第三弾は伝統の模様に依らないオリジナリティ重視のデザインを目指しました。
またワインの色が良く見えるように
・全体的に透けて見えるようにすること
・カットで透かすのではなくワイングラスの側面を丸く擦ることで完全にクリアに中が見えるようにしよう
と構想を始めました。
最初は丸を規則正しく並べるデザインを基盤に考えていましたが「わりとそういうデザインあると思うし、1つのデザインで全体を統一するのは誰でも思いつくもので少し短絡的すぎる」と思い、とりあえず下半分だけを丸く擦ろうかと思いました。
全体を24等分し、丸の位置をマーキングし始めましたが、この時に丸が立ち並ぶ姿が泡が上に登っていくように見えたので、均等にならべるのをやめて、丸が斜め上に3つ連なる形で非対称のデザインとしました。
また、水草の感じを表現して海中をイメージしようと思い、節のある植物というイメージで水草をカットしました。
この水草においても通常のカットよりも10°広く削っており、透ける面積を増やしながらカットしております。
手前の丸の部分を覗くと、奥側の部分がかなり見えているのがわかると思います。
また丸い泡の部分が切子としてはかわいらしく見えるような側面もあり、女性的な印象のデザインと製作者自身は感じています。
私が今までに作ってきたデザインの傾向から言うと珍しいデザインになっています。
ワインなどを飲む際にも下の写真のように水面に反射されたカットが目に飛び込んできて楽しませてくれることでしょう。
見れば見るほど引き込まれる海中ワイングラス、ぜひお試し下さい。