「徳利・菊繋ぎと亀甲」は「ぐいのみ・菊繋ぎと亀甲」のデザインと合わせたデザインの製品です。中央部に伝統的な文様の菊繋ぎを、下部に亀甲をカットした伝統ベースのグレードを上げた作品です。オリジナリティは排し、純粋に伝統的なスタイルのデザインのグレードを上げようという意図の作品です。菊繋ぎはマス目をかなり小さくし、細かいカットにすることでグレードを上げております。徳利に菊繋ぎを削ること自体かなり難しく、ここまで細かい菊繋ぎをカットできる職人は日本で数えるほどかと思います。日本トップクラスの技術をお楽しみ頂ければと思います。亀甲は日本の伝統的な文様ではありますが、切子の世界ではわりとマイナーな文様になるかと思います。他の工房ではあまりお目にかかれないかと思います。作るのがなかなか大変なので、亀甲というデザイン自体を選択しない職人が多いかもしれません。写真や動画でも見てわかる通り、亀甲部分が万華鏡のように色んな角度の像を映し出すので、実際に使用していて楽しいかと思います。徳利の中でも下部がかなりクリアに透けているので、飲料の色を楽しみたい方にも最適かと思います。徳利で高級なウイスキーを入れた際にも樽熟成の色などしっかり楽しむことができるのではないでしょうか。菊繋ぎと亀甲は共に長寿や無病息災といった健康面での良い意味を持つ縁起の良い文様です。首の部分は楕円をカットしております。横から見ても上から見ても魅せる表情が美しいので、採用しております。口元は内側にくぼませるように波打つように擦っております。技術的に公表できないのですが、もう一つ口元に細工を仕込んでおり、2つの細工は液ダレを軽減するものとなっております。液ダレに関する研究論文を読み、液ダレの物理学上の理論を把握しました。その後、論文の理論に基づいて6パターン試作しましたが、現在の形に行き着きました。丸1日かけて液ダレの検証を行いましたので、当工房の1つの解答になった形かと考えております。液ダレは水分の表面張力の関係で、100%防ぐものは作れません。特に容器が垂直状態から30°傾けた状態まではどんな細工をしても液ダレを大きく軽減することはできないという研究結果が出ています。しかし、理論に基づいた2種類の細工を仕込んでいるので、内容量が少なくなってきて徳利をだいぶ傾けて注ぐ際の液ダレはかなり軽減できているかと思います。オリジナリティは薄いですが、液ダレ軽減や手触り等の細部にこだわることで伝統的なデザインでグレードを上げた普遍的な美しさのある作品になったかと思います。同じデザインの「ぐいのみ・菊繋ぎと亀甲」とセットで使用して統一感を出すと、より美しいかと思います。自分用、贈り物、インスタ映え、お店のブランドイメージアップ等にご検討下さい。