色々メモ帳にデザインを書き込んで熟考しているのですが、なかなか自分でこれだ!というデザインに行き着かずに悩んだりします。そんな時、「自分の工房のロゴって結構デザイン性として面白いよね」という着想に至りました。工房のロゴは伝統的な七宝の文様をベースにしていますが、さらにそのロゴをベースにデザインを考えようという面白い発想です。工房のロゴをわりとそのまま再現すると透け感が足りなく暗い印象のグラスに仕上がるので、工房のロゴを基礎としてだいぶデザインをひねって考えました。また、シンプル作品シリーズの「風陣タンブラー」と「竹林タンブラー」の2つの良いところを組み込んでグレードアップする意識で製作しました。その2つのタンブラーの上位互換にあたるデザインの位置付けとして認識してもらえればと思います。つまりは、・プレミアム作品にしか普通採用しないかなり深いカット・カットと色残り部分のグラデーションという部分を意識しています。竹林タンブラーは単純に縦線のみでグラデーションを出しておりましたが、グレードアップ版ということで、斜めに広がる線がグラデーションになっている手の込んだものです。風陣タンブラーの良いとこ取りとして、かなり深いカットのエッジは最初にお手に取った際に驚かれると思います。またブース販売をした際にお客さんに好評だった要素を取り入れており、よりお客さん目線でのデザインに近づけたかと思っています。大枠のデザイン性が優秀で、これの細部に菊繋ぎや菊籠目を入れればプレミアム作品の項目に入るくらいの美しい構造になっています。しかしできるだけ多くの人にお手に取ってもらえるように、比較的安価に仕上がるようにカット量の多い菊繋ぎや菊籠目は避けました。「箴(しん)」は聖書の「箴言(しんげん)」という言葉から拝借しています。箴は、「自分を戒める、前以って注意を与える」という意味があります。ダビデ像でおなじみのダビデの息子のソロモン王は神に財宝ではなく知恵を授かてもらうようにお願いしました。その神の知恵を持ったソロモン王が残した言葉が「箴言」です。聖書由来ということもあり、底のカットを十字架に見立ててカットを入れたり、ロゴのデザインの間に大きな槍のような形をした独立したデザインも入っています。ゴルゴダの丘でイエスキリストが十字架にはりつけにされ、脇腹にロンギヌスの槍を差して死亡を確認したという聖書の代表的な瞬間を意識しています。しかし、デザインとしては抽象的に仕上げているので、見た人の感性におまかせしたいと思っています。例えば、「すい星が帯を引きながら上の方に飛んでいくようだ!」とかそう感じてもらえたならそういう風に各々で受け取ってもらいたいと思っています。見た人によってデザインが違って見えるのが良いデザインの要素だと信じて疑わないので、そういう風に楽しんで頂けたらと思います。ちなみに私は知的好奇心、一般常識として聖書を呼んでいますのでキリスト教ではありません。工房の名前に恥じない素敵なデザインかと製作者的にはかなり満足しております。自分用、贈り物、祝い事、インスタ映え等にご検討ください。