ロックグラスの第五弾のデザインとして、以前に製作した玉七宝に氷山タンブラーのロックグラスバージョンを作ろうと思って製作しました。
玉七宝(ぎょくしっぽう)のテーマは 「シンプル」 「オリジナル」 「安価」 を念頭に製作したデザインです。
作品をこだわりだすと、カット数が多く、見た目に美しいデザインになりますが、値段もそれなりにします。
当工房ではデザインにこだわりすぎてシンプルで値段を抑えた製品が少ないということで、製作したデザインが玉七宝です。
シンプルですが、上品さが漂う素敵なデザインになっていると思います。
デザインの完成度はカット数が多い作品に見劣りするものでもありません。
ベースとなっている七宝は、円形が無限に繋がっていく様子が見えます。
人のご縁がずっと続いていくようにという円満で人と人との和(輪)の大切さの意味合いが込められている縁起の良い柄です。
また仏教で述べられている「金、銀、水晶、瑠璃(るり)、瑪瑙(めのう)、珊瑚(さんご)、しゃこ」の七つの宝を表現し、あらゆる宝物が手元にある状態を示します。
つまり財産があり、繁栄している状態、裕福になるようにという意味合いも込められています。
その七宝の中心に丸い玉(たま)、転じて玉(ぎょく)を配置しました。
「玉(たま)」は球体を表す意味の他に「とても大切な物」という意味がございます。 玉座(ぎょくざ)、玉将(ぎょくしょう)、玉露(ぎょくろ)など全て「とても大切な物」という意味でつけられています。
玉は消し加工により、擦りガラス状に仕上げてあります。
玉七宝は当工房のオリジナルデザインなので、シンプルさの中にもオリジナリティが少し加わっています。
側面がシンプルなデザインがゆえにグラス全体が暗い印象を受けるので、バランスを取るために底はざっくりと深めの大きな側面にまで伸びる16等分のカットを施しました。
濃い海を浸食するように荒々しい氷山の形と認識し、これを「氷山底」と命名し、今後のデザインの基盤の1つとしました。
当工房ではガラス全体をボロボロに溶かす「酸磨き」ではなく、カット面を1つずつ丁寧に磨いていく「手磨き」という伝統的な手法を用いています。
ガラスをカットした山の部分が溶けて丸くならず、しっかりエッジが残るので手触りが心地良いのもポイントです。
手磨きにより氷山底の大胆なカットのエッジも最大限にお楽しみ頂けると思います。
それも当工房ならではのものです。
値段もロックグラスの中では一番安価です。
自分用、ギフト、退職祝いなどにご検討下さい。