修業時代に上の人の回答待ちでそのまま製品化するかどうか忘れられてしまったデザインをベースに洗練させる形でリデザインして製作しました。変更を加えた点は、・六角を正六角形になるように整えてサイズを大きくしてしっかり見せるようにした。・麻の葉と菊繋ぎ部分の境界を直線ではなく、六角と同じ形にすることでデザインが調和するようにした。・口元に輪を入れてデザインが引き締まるようにした。・麻の葉を一段減らし、麻の葉の主張を少し抑えた。・下部を透かしにすることで、下部周辺の暗い印象を明るくして調整した。です。菊繋ぎの部分も六角形になるように削っています。一番上の麻の葉のカットがそのまま中段の菊繋ぎのカットの構成要素になっています。また、一番下の六角の緩やかな斜めのカットがそのまま中段の菊繋ぎのカットの構成要素になっています。つまり、麻の葉と六角と、Y=2Xの線を融合させると菊繋ぎの文様になるということです。伝統的な三種の文様が菊繋ぎを中心に隣接するお互いのカットの要素を持っているというデザインです。伝統的な文様のカットがどういう要素を持っているかはカットしている職人にしかわからないことで、職人だからこそ出てくる発想のデザインです。また文様同士を連結させるのはデザインするのが非常に難しいです。かなり数学的なところからアプローチしてデザインを製作しております。このようなデザインを作る江戸切子職人は日本にはほとんどいないかと私は思います。伝統的な文様を使った伝統的なデザインにオリジナリティが組み合わさった傑作だと私は思っております。カット時の調整が難しいので工数も多くかかり、値段も比較的高くなっておりますが、それに見合うだけの価値はあるかと思います。自分用、贈り物、お店のブランドイメージアップなどにご検討頂ければ幸いです。