作品名の「クイーンズ・ギャンビット」ですが、これはチェスで最も有名な定石の名前のうちの1つです。
ちなみに「ルイ・ロペス」という定石もとても有名です。
私がチェスを勉強し始めた時はクイーンズギャンビットから練習を始めたので、思い入れがある定石です。
クイーンという駒の前あたりのポーンという駒を犠牲にして、先に駒を取らせてあとの有利な展開を作ろうとする定石です。
ギャンビットを日本語的に言うと、肉切骨断という感じです。
犠牲を出しながらも勝利を目指すという定石をチェスでは「ギャンビット」と呼びます。
イタリア語の「ギャンバ(足)」という言葉に由来するそうです。
またデザインの根底の考え方として「チェスをテーマにするが、チェスのなにかしらをそのまま表現せず、切子の美しさと融合して、全く新しい形状、オリジナリティを提供すること」を念頭にしております。
初期構想段階。
ポーンという将棋の歩にあたる駒を中心を共有して、上下に相対する形で配置しようとしたのが一番最初のデザイン構想です。
これはまさしくクイーンズ・ギャンビットの相手のポーンを取るか取らないかの判断を迫られて相対していることを意味するデザインです。
このポーンをベースに切子として美しくなるカットを融合させて現在の形になっています。
これが159作品目なので、どこをどうすれば美しく見えるかなど過去の経験をすでに言語化してデータベース化しております。
現時点で私は約30種類の美しくなる要件を把握しておりますが、それらをできるだけキャンパス(表面積)内に取り込んでチェスのテーマと融合させました。
側面から見ても、上から見ても圧倒的な美しさがあるかと思います。
なんとなく削っただけではこの美しさは絶対に出てこないので、当工房らしいオリジナルな美しさがあるかと思います。
私達の人生もなにかしらをギャンビット(犠牲)しながら最終的なゴールを目指していることかと思います。
時間?お金?労力?愛する人?
皆様が何をギャンビットして生きているかはわかりませんが、最終的な勝利を掴めるように幸運を祈ります。
自分用、贈り物、祝い事、インスタ映え等にご検討頂ければと思います。