この作品のテーマは「作業工数一切無視で美を追求すること」です。
上部の正三角形の中に入っているデザインは「菊籠目(きくかごめ)」という伝統的な文様です。
カットの難易度は最も難しい部類に入ります。
透明のカットと色が残る塩梅が良く、デザイン的に優れておりますので採用しております。
この作品は全体を24分割してデザインを構築しておりますが、菊籠目の三角の部分だけ分割数を増やしてサイズを小さく表現することで美しさを引き出しております。
底の角は6か所ざっくりカットしている「隅切り」というものです。
これの目的は、
・底の形状の変化によるデザインのアクセントと面白さ
・手で持った時のカットの手触りの心地良さ
です。
デザイン性はもちろんのこと手触りを考慮した機能美によるものです。
ロックグラスを持った際に隅切りの部分に中指がかかり、持ち心地が良いかと思います。
消し加工(すりガラス状)は色のついた部分と交互にグラデーションになるように施しました。
単純に全体を磨いただけでは表現できない美しさ、高貴、気品の高さ、上品さを表現出来たと思います。
デザインは複雑ですので、見る人によってデザインの感じ方が違ってくると思います。 見る人によって見え方が多様に変わるデザインが最も良いデザインと私は認識しているので、その要件を満たせているのではないかと思います。
口元部分にも細工があります。
口元側に傾斜をつけて擦ることで口当たりがとてもよくなります。
この口当たりの良さは流行りの薄張り(うすはり)のグラスの口当たりとはまた別の種類の口当たりの良さがあります。
最初に使用される時にお水を飲んでほしいのですが、口当たりの良さによってお水がすごく美味しく感じるかと思います。
色々デザインはしておりますが、傑作のうちの1つで、皆様にも愛して頂けるデザインになったのではないかと思っております。
自分用、贈り物、祝い事、インスタ映え等にご検討ください。