200作品目の区切りの作品でしたので、とても特別な型を作ろうと思いました。
応募多数であった人間国宝の先生のデザインの授業を幸運にも受けることが出来て、そこで学んだことを生かした初めての作品でもあります。
※申し込み時の私のメッセージを見て、先生自身が推薦してくれたそうでとても幸運でした。
以前に、菊繋ぎを使った最高峰レベルの作品を作ったので、今度は八角籠目を使った最高峰の作品を作ろうと初期構想を考え始めました。
工数がかかるので今まで一度もやらなかった底全体に八角籠目を削ることにし、グラス全体をカゴに見立てています。
丸い木の実を転がして収穫するようなイメージでデザインを構想し始めました。
カゴの底の方には木の葉もいくらか入っているイメージです。
流れるような4本の線に沿って、丸が上部と下部に存在しています。
間にはあえて色を残す処置をしています。
空間を残すことで、「木の実が上から転がってカゴの下の方に貯まっていく」というイメージを頭の中で膨らますことができるからです。
すなわち、日本のわびさびを感じさせる美というものを意識しております。
この日本特有の美をデザインを製作する時に、特に意識しました。
側面は単一のパターンではなく、複数のカットによって構成されております。
その複雑な構造は説明不要の美しさをあなたに魅せていることだと思います。
また上の中心に来ている側面の八角籠目は日本でも最高峰レベルの細かさでカットしており、デザイン自体の美しさだけでなく、技術で魅せる美も存在しております。
当初は八角籠目のみでデザインを構成しておりましたが、直感的に美しさが減衰していることを感じました。
一部のデザインを「菊籠目」という菊繋ぎと八角籠目の中間のような高難易度のカットに変えており、デザインのアクセントとしました。
この他にも過去の経験から得られた25種類の美しくなる要件を盛り込んでおります。
私がここで説明するよりもユーザー自身がこのグラスを使用しながらその神髄に実際に触れて、各々で使う度に少し気付いていってほしいと思っています。
カゴの中に収穫した丸い木の実がいくらか入っています。
そこから見える景色はとても幻想的です。
木の実の1つ1つが私には大切な思い出のように見えています。
少しずつ大切な記憶があなたの中に蓄積されて、思い返すと、どの木の実もとても美しく見えます。
過去を回想し大切な思い出に浸りながら、このグラスを使用してみるのもいいかもしれません。
自分用、贈り物、祝い事、インスタ映え等にご検討ください。