伝統的なぐるりと一周伝統的な文様をカットして、下部はクリアに透けさせるという伝統的なスタイルの正統派のデザインです。
グレードをあげるために、手触りと口当たりを意識したカットをしており、使用感の良さを上げております。
手触りの工夫として、側面に底の形状を変えてしまうほどの3本のかなり深めのカットを入れております。
これによりグラスを持った時のエッジが切子特有の心地良さを与えるものと考えています。
手触りを出すための機能がデザインにつながる機能美となるものです。
また口元部分にも細工があります。
口元側に傾斜をつけて擦ることで口当たりがとてもよくなります。
この口当たりの良さは流行りの薄張り(うすはり)のグラスの口当たりとはまた別の種類の口当たりの良さがあります。
最初に使用される時にお水を飲んでほしいのですが、口当たりの良さによってお水が美味しく感じるかと思います。
10パターンくらい口元を擦って口当たりを確認しましたが、最終的にこの半円状に擦った時が最も良いと思ったのでこれに決定しました。
人間が口当たりが良いと感じる時の要件を自分なりに洗い出して考察しました。
その要件を3つほど満たして形になっており、きっとご満足頂ける細工になっていると思います。
またこれも機能を追求した結果のデザイン、機能美に当たるものです。
グラスの中央部には帯状に伝統的な八角籠目(はっかくかごめ)の文様をカットしております。
帯状にぐるりと一周削るスタイルは伝統的なデザインでよくあるデザインです。
オリジナリティを抑える調整となっております。
また八角籠目の線を1本ずつ磨いておりますので、八角籠目の輝きが強く、細部のグレードにもこだわっております。
八角籠目は伝統的な文様の中でも難易度の高めのカットです。
籠の編み目で悪い物を取り除くという魔除けの意味がある縁起の良い文様です。