オリジナリティを抑えて伝統的なデザインでありながら、よりグレードの高い作品を作ろうと考えた作品です。デザインの意図するところは「下部がクリアに透けていて、飲料の色を十分に楽しむことができる」というデザインがベースになっています。とりわけ、難易度の高い菊籠目(きくかごめ)と菊繋ぎ(きくつなぎ)をぐるりと一周削り、その2つを魅せるための伝統的なデザインとなっております。通常作る切子よりもグレードを上げている部分は・難易度の高い菊籠目と菊繋ぎを、難易度の高い小さいサイズで削った。・菊籠目と菊繋ぎは同じ直線の延長線上で連結して削っている。・口元を傾斜をつけて擦り、口当たりを良くした。・側面にざっくりカットを入れて、切子特有のエッジの手触りの良さを追加した。という部分です。菊籠目と菊繋ぎは一般的なサイズよりもかなり小さくしていますので口で説明せずとも、グレードの高さを感じて頂けるかと思います。構造的にはグラスの真ん中らへんを伝統的な文様で帯状にぐるっと一周削るというベーシックなデザインです。しかし、細部や使い心地なども考慮してこだわることで、他の職人さんがやらないことや出来ないことがそのままデザインの差別化になっているかと思います。口元は口当たりを良くするために半円状に薄く擦っております。口元が円ではなく、内側にへこんで波打っているのがご確認頂けるかと思います。10パターンほど試しましたが、この半円状に擦った時に一番口当たりが良くなると断定したので、採用しております。口当たり、手触りにも配慮し、視覚以外の部分でも切子を楽しめるようになっているグレードの高い作品です。自分用、贈り物、祝い事、インスタ映え、お店のブランドイメージアップ等にご検討頂ければ幸いです。