生産工場はDXで課題を見つけ、変革することで、大きな増益または生産性の向上が達成できます。しかし、現実には「DXはまだ敷居が高くて取り組めない」「変革する余地があるのか疑問」などが理由で、着手していない工場がたくさんあります。
本書は、生産工場のDX推進に必要な工場の本質的知識と確かなDXの進め方、保全業務の変革などを図表を使ってわかりやすく解説した入門書です。第3版では、「工場の部署別DX推進チャート」を巻頭フルカラーで加えました。
-目次-第1章 工場の本質的知識-DX推進のための知識(1)1-1 工場経営管理には5つの知識が必要1-2 製造業の利益は3つある1-3 工場は「モノづくりの場」と同時に「管理の場」でもある1-4 工場の管理にはマネジメント管理とコントロール管理がある1-5 製品の生産には受注生産と仕込み生産がある1-6 消費者の需要は変わる1-7 需要が変われば、モノづくりも変わる1-8 情報技術によって管理が変わる1-9 多品種・小ロット・短期間生産は製造現場を変貌させる1-10 多品種・小ロット・短期間生産の改善は行き詰まりを見せる1-11 多品種・小ロット・短期間生産は外乱の嵐の中で行われる1-12 工場は変革し続けないと生き残れない1-13 工場はカネの前払いである1-14 生産は時間とともにある1-15 クレームはある確率で発生する1-16 「工場が輝くとき」はどんなときか
第2章 コントロール管理の知識-DX推進のための知識(2)2-1 コントロール管理とはPDCAを回すこと<生産コントロール管理>2-2 生産管理は納期を守るための3つのコントロール機能2-3 在庫はカネが支払われた証である2-4 調達管理とは業者をコントロールすること2-5 進捗のコントロールができれば納期は守られる<品質コントロール管理>2-6 品質管理は「顧客不満足の解消から顧客満足の追求へ」展開中2-7 まだ達成できてない品質管理の課題がある<原価コントロール管理>2-8 原価コントロール管理でコストダウンする2-9 個別実績原価はバラツク
第3章 マネジメント管理の知識-DX推進のための知識(3)3-1 製造業の企業戦略と工場経営戦略3-2 工場経営とは環境適応性の追求である3-3 工場経営の課題はミクロの情報の中に潜む3-4 ヒト資源は目標によって動く3-5 モノ資源を保全して働かせる
第4章 工場DXのアプローチ-DX推進のための知識(4)4-1 新たなデータで見える実態4-2 見えていない真の実態4-3 データを駆使したDX(デジタル変革)
第5章 確かなDXの進め方-DX推進のための知識(5)5-1 DXの定義と変革推進者の役割5-2 新しいテクノロジー「IoT技術」と「AI技術」5-3 確かなDXの進め方5-4 工場の課題の抽出5-5 工場の経営戦略の策定5-6 DXの変革推進のビジョン5-7 IoT、AIシステムの構築5-8 データの活用で変革の推進
第6章 製造現場の情報化変革-DX化のテーマ(1)6-1 製造現場の情報化の推進6-2 製造現場の事務工数をゼロ化6-3 現場リーダー業務の情報支援を実現
第7章 コストダウンと改善の変革-DX化のテーマ(2)7-1 IoTによる新しいコストダウンと改善で第3の利益の獲得7-2 作業工数を自動採取して工数原価をコストダウン7-3 個別実績原価原単位を自動採取してコストダウン7-4 設備総合効率で機械を徹底活用7-5 製造リードタイムの短縮
第8章 DQC管理の高度化-DX化のテーマ(3)8-1 DQCコントロール管理を高度化8-2 生産計画の高度化8-3 調達管理と在庫管理の高度化8-4 工程進捗管理と作業進捗管理の高度化8-5 品質管理の高度化
第9章 マネジメント管理の革新-DX化のテーマ(4)9-1 工場経営管理者の情報ニーズ9-2 実績原価がわかれば経営戦略を変えられる9-3 工場の間接業務のBPR(業務革新)9-4 間接業務者の業務の革新
第10章 保全業務の変革-DX化のテーマ(5)10-1 保全の業務の変革10-2 3つの保全方式10-3 保全計画の作成10-4 事後保全のリスクに対応10-5 予防保全(TBM)の実現10-6 予知保全(CBM)の追究
【コラム】変革の種・鋳造品工場の稼働率向上・成形加工工場の利益増大・受注生産工場の利益確保・受注生産工場の赤字製番撲滅・食品加工工場の不良対策・半導体製造装置組立工場のコストダウン・タイヤ工場のコストダウン・素材加工工場の資金繰り改善・食品加工工場の増益策・仕込み生産工場の製品在庫削減・ラミネートフィルム工場の仕掛り在庫削減・撚線加工工場の省力やりすぎ・板金加工工場のクレーム件数削減・塗装工場の状態保全(CBM)