有名な学者が「未来の世界のかたち」と呼ぶほどに、日本でも推進機運が盛り上がってきたSDGs。そこで達成しようとする項目を見ると、確かになおざりにはできないことが並んでいる。今後、それらを解決できるように動いてゆかないと、人間社会は持続不可能になるという触れ込みで、国連は加盟国に強い推進を迫っている。
しかし、それは本当なのだろうか?持続不可能になったら、いかなる事態が起きるのか?
人間にとってSDGsの推進は本当に不可避なのか?
かつて世界的に大きな目標となり、いつの間にか消えていった「CO2削減問題」の際に、その中心にいた著者は、SDGsの出現に鮮明な既視感を持った。
本書は、SDGsに対して抱いた著者の疑念を掘り下げ、その正体と真の目的を暴いた一冊である。多くの企業が騙され、損失を抱えさせられた「CO2削減問題」の轍を踏まぬよう、SDGsとの距離の取り方も考察する。
対話形式で書かれ、やさしく理解できる工夫もほどこされている。
序章 ナイーブでSDGsに向いていない日本人
第1章 空回りする日本のSDGs
?SDGsの認知度が日本でかんばしくない理由
日本のSDGs先進企業は、ラグビーの「にわかファン」レベル
「いけ好かないSDGsオヤジ」の群れ
第2章 SDGs17のゴールと日本の現状
幻想の日本SDGs先進論
日本の真のSDGs達成状況 0勝17敗!!
第3章 SDGsに夢を持つな
不幸のかげにも笑顔あり。コロナウイルスが教えてくれたこと
人間の心理は、百花繚乱
「SDGsは達成されることを望んでいない」SDGs蜃気楼理論
SDGsは独占的利益確保の大義名分付与証書
第4章 SDGsを味方につける方法
ケニアで展開されるモバイルマネーサービス
カンボジアのマイクロファイナンス
中国、インドのエドティックビジネス
日本企業の箱庭的、閉鎖的姿勢はSDGsと相性が悪い
第5章 アタマの悪い企業はSDGsに手を出すな
取り組みスタンスでこんなに違うSDGsの成果
SDGsの3大原則「真剣」「選択と集中」「創造」
ケーススタディ 中堅教育予備校D社のSDGs戦略
言葉の本質を見抜き極められない企業は、SDGsに取り組むな