現代の企業経営において、サプライチェーン・マネジメント(SCM)を避けては通れない。「モノ・情報・カネの流れ」の最適化が企業の競争力を左右する現代、SCMの重要性が高まっている。本書ではSCMの基礎から丁寧に解説し、近年注目のAI・ビッグデータを活用した取り組みまで幅広く解説する。
目次
第1章
SCMの基本と本質
1 SCMの本質と基本的なしくみは?「供給連鎖全体をまとめて管理」
2 企業間連携を支える情報共有を重視「モノの流れに関する管理を徹底」
3 キャッシュフローの円滑化を推進「「在庫は悪」という概念を導入」
4 スループットの最適化による収益性の向上「サプライチェーンの在庫レベルを最適化」
5 持続可能なウィン・ウィンの関係の構築「サプライチェーン全体の負荷を低減」
6 部分最適から全体最適への転換「サプライチェーンの課題を総合的に解決」
7 ボトルネックの特定と制約理論による改善「サプライチェーン全プロセスの作業効率、生産性の向上」
8 バッファーの設定でサプライチェーンの安定性を確保「全体最適のリスクヘッジに活用」
9 DBR手法による効率的なスケジューリング「全体をボトルネックのスピードに調和」
10 「在庫は悪」という考え方「安全在庫の最適化を実現」
11 クラウドテクノロジーで刷新が進むSCM「リアルタイム重視のデジタルシフト」
12 DX重視によるSCM最適化の流れ「DXによる情報共有を推進」
第2章
SCMの発達
13 企業経営の中核を担うSCM「求められるサプライチェーンの高度化」
14 大量生産時代からサプライチェーンの時代へ「生産性偏重の課題を解決」
15 SCM誕生の背景とアメリカでの展開「ムダを排除した供給網を構築」
16 日本式経営からヒントを得たアメリカ産業界「ジャストインタイム方式をアメリカ流に活用」
17 トヨタ生産方式を源流とするSCM「「在庫を持たない」という発想」
18 SCMの基本概念となる「制約理論」「エリヤフ・ゴールドラットにより生み出された「制約理論」」
19 SCMとは「拡大されたロジスティクス」「ロジスティクスを中心にビジネスプロセスを最適化」
20 SCMに求められる現場発信型の情報共有「ブルウィップ効果の発生を回避」
21 さまざまな「サプライチェーン」モデルを比較!「製造業、卸売業、小売業が状況に応じて起点になる」
22 サプライチェーンの設計を実践「開発・設計から生産、流通、販売、回収に至るプロセスを構築」
23 高度化する需要予測とAIの活用「AIを活用しての生産計画」
24 重要性が高まるサプライチェーン経営「SCMの視点からの企業活動の必要性」
25 サプライチェーン統括本部の機能「SCM戦略の策定を検討」
26 SCMにおける在庫管理の高度化「在庫削減を戦略的に実施」
27 KPIで実現する戦略的なサプライチェーン運営「課題・問題点を定量的なデータで分析」
第3章
いろいろな業界のSCM
28 製造業の緻密なSCMの構築「垂直総合型のサプライチェーン」
29 垂直統合モデルへの戦略的回帰「設計から実装までの国際分業が常態化」
30 流通業界におけるSCMの展開「リテール起点のサプライチェーンの発達」
31 サプライチェーンの司令塔となる物流センターの進化「ストック中心からプロセス対応型へ」
32 SCMの実働部隊となるロジスティクス領域「サプライチェーンを支える戦略物流の役割」
33 ますます高度化する食品サプライチェーン「温度管理・衛生管理の情報共有を徹底」
34 ネット通販起点のサプライチェーン戦略「進むフルフィルメント業務の完全自動化」
35 サプライチェーンの可視化がカギを握る医薬品業界「GMP、GDPが支える品質保証体制」
36 物流共同化でサプライチェーンの強化を図る日用品業界「「競争は店頭で、物流は共同で」が合言葉」
37 AIの活用で無人化を推進するアパレルのSCM「AIの活用で進むサプライチェーンのDX武装」
第4章
SCMの構築で企業システムはこう変わる!
38 SCMに必要な緻密な情報管理「川上から川下までの在庫階層を見える化」
39 「つくりすぎのムダ」を解消「必要なモノを必要なときに調達」
40 戦略的な品質管理で競争力を強化「消費者視点に立った商品開発を推進」
41 データに基づいた商品戦略を実践「品揃えのムリ、ムダ、ムラを解消」
42 ウィン・ウィンの関係を強化「パートナー企業との情報共有を推進」
43 企業はコアコンピタンスを強化「アウトソーシングを戦略的に活用して業務最適化」
44 ビジネスプロセスを最適化「サプライチェーンのトータルリードタイムを短縮」
45 スループット改善によるコスト削減「リードタイムの短縮を戦略的に実現」
46 情報共有の徹底でビジネスチャンスを拡大「SCMの基本理念を組織全体に定着」
47 グローバル対応のモジュール化を実現「標準化部品の調達を徹底」
第5章
デジタル化によるサプライチェーンの再構築
48 スマートサプライチェーンを進化させるデータ活用の最前線「多様なデータソースをAIが分析・統合」
49 ビッグデータ起点で進化するサプライチェーン「AI・IoTが実現する動的最適化と全体可視化」
50 SCMの商流を進化させるブロックチェーンの力「取引履歴の透明化と連携強化がカギに」
51 デジタルが支えるサプライチェーンの進化「AIがもたらす自律的オペレーションの波」
52 カーボンニュートラル時代のグリーンサプライチェーン「環境負荷の最小化を軸としたSCMへの転換」
53 リバースチェーンにおける廃棄物処理「静脈部門のIT化を推進」
54 工場・倉庫のスマート化を支える自動化技術の進化「AI・IoTによる無人化と高度化」
55 進化するドローン輸送がサプライチェーンを支える「機動力と即応性を備えた新たな輸送モード」
第6章
これからのSCM
56 サプライチェーンに変革をもたらす量子コンピュータの可能性「複雑化する最適化問題へのブレイクスルー技術」
57 拠点別に進化するロボット活用の最前線「工場・倉庫・店舗を支える自動化の現実」
58 進む工場、物流センター、店舗の無人化「サプライチェーンコンプレックスの構築」
59 地政学リスクと災害に強いレジリエントSCM「不確実性に備えたサプライチェーンの再構築」
60 D2Cライブコマース時代のSCMの再構築「「売り方の進化」に対応した供給網の再設計が急務に」
61 グリーンサプライチェーンの構築が進む「静脈部分を含めてビジネスプロセスを最適化」
62 リバースチェーンとのリンクが重要に「適正な処理を行い、資源再生化を実現」
63 自然災害対応のサプライチェーンの「途絶」とBCP対策「救援物資を被災地に迅速、タイムリーに供給」
64 マルチチャネル・マルチスピード時代のSCM再構築「流通チャネルの多様化に柔軟なリードタイムで対応」
65 サプライチェーンのデジタルツイン化 「仮想空間で供給網全体を見て動かす時代へ」
66 拡張するSCaaSモデルと外部化するSCM機能「中堅・中小企業の戦略実装を支える新たな選択肢」
67 サプライチェーンにおける人と機械の共進化とリスキリングの必然性「現場で求められる「協働型スキル」とは」
コラム
●サプライチェーンの基盤となる物流施設
●トヨタの「かんばん方式」誕生の背景と進化
●AIによるSCMの進化
●標準化の戦略的な導入
●リスクマネジメントの徹底によるSCMの強化
●最適化疲れの時代へ―サプライチェーンに余白を取り戻す発想
参考文献
索引