医学の進歩などにより、日本を筆頭に世界各国で長寿化が進行している。いずれ「人間の寿命は100歳」が常識になる可能性も高い。私たちは、「100年ライフ」を前提として社会の諸制度や法律、企業のあり方、そして何より個々人の生き方をシフトする必要に迫られているといえる。本書は、長寿化を前提に個人の働き方や生活をどのように変えていくべきかを論じている。これまでの私たちの人生は、教育、仕事、引退後という三つのステージに分かれていた。これが今後、「100年ライフ」のもと「マルチステージ化」するというのが著者の主張だ。そうなれば財産などの「有形の資産」よりも「無形の資産」の価値がより高まるという。著者はロンドン・ビジネススクールで教授を務める、人材論、組織論の世界的権威。著書に『ワーク・シフト』『未来企業』(いずれもプレジデント社)などがある。