師匠:ずいぶん前の事だけどさ、店で魚扱ってたじゃん。
弟子:扱ってましたね。熱帯魚的なコトやらされました。
師匠:やらされたんだ。
弟子:あなたにね。水草なんかもやらされました。
師匠:あー、水草ねー。いいもんだよねー。
弟子:水草専用の水槽まで置きましたね。店舗内違和感アリアリ。
師匠:結構売ったよな。
弟子:最終的にはADAレベルまで行ったような気がします。僕のおかげですよ。
師匠:あれさ、なんであんな事になったんだっけ??
弟子:卸市場でたまたま睡蓮売ってて、それを仕入れてそこからですよ。
師匠:あー。メダカ入れたりしたんだよな。
弟子:メダカも最終的には1匹六千円とかの仕入れてましたよね。やりすぎなんですよ。
師匠:その頃さ、水槽内作り込んでジオラマ提案してたじゃん。
弟子:すごくよく覚えてます。黒歴史すぎて。
師匠:灯籠とか農家風の家とか橋とかでいい感じに作れてたのにね。
弟子:びっくりするほど売れませんでしたね。
師匠:世界の七不思議ではあるな。
弟子:で、なんなんです?
師匠:今度は盆景を扱おうと思ってね。
弟子:盆景ってあの箱庭の?めげない人ですね。
師匠:そうそう。
弟子:あれ、パーツが高いって話ですよ?
師匠:そうなんだよ。びっくりするほど高いんだよ。
弟子:そんな高いもの売れないんだからやめましょうよ。
師匠:それがね、盆栽侍んちにデッドストックがあったのさ(笑)
弟子:うお!どさくさに紛れて持って帰ってきたの?
師匠:失敬な。適正価格で譲ってもらったのさ。適正さ。
弟子:じゃ、安く出せるんだ。
師匠:定価より圧倒的に安いよ。
弟子:新品なの?
師匠:新品だよ。デッドストックだったってだけ。
弟子:つかさ、今でも作られてるものなの?
師匠:今はね作り手がほとんどいなくて価格は高騰するばかりなんだよ。
弟子:プラスチックじゃないんですね。
師匠:錫合金の高級盆景だからね。
弟子:1つ1つ見ると、牧歌的というか昭和的というか。優しい世界な作りだよね。
師匠:精密作品じゃないから全体の雰囲気で楽しめない人には無理だろうね。
弟子:置くだけじゃなく成形してみたり着色してみたりもいいね。
師匠:ウィキにはなんて書いてある?
弟子:盆景とはお盆の上に土や砂、石、苔や草木などを配置して自然の景色をつくり鑑賞する伝統芸術である。って書いてあるね。
師匠:そうそう。そこにこういうパーツを添景として置くわけだよ。
弟子:配置や景色の工夫をこらすことで美を表現することが重要とされている。だって。
師匠:この流れで水槽内のジオラマパーツも売れないかなー。
弟子:あれはムリっす。