師匠:夏の風物詩。蚊取り線香入れだね。
弟子:風情があっていいですよね。あー夏だなー。
師匠:以上。
弟子:え?
師匠:以上。見れば誰でも分かるし。
弟子:もうちょっと何か言いましょうよ。
師匠:そうか?
弟子:そうですよ。
師匠:蚊取り線香はね………。
弟子:除虫菊でしょ? 知ってますよ。へへん。
師匠:うん。白花虫よけ菊という花の成分なんだね。
弟子:どんな花なの?
師匠:白いマーガレットみたいな花。
弟子:へー。
師匠:発明したのは金鳥の創始者ね。
弟子:そうなんだ!
師匠:今時のハイテク蚊取り線香は煙がないだろ?
弟子:そうそう。なんとなく効かない感じがするんですよねー。
師匠:つまり、煙があると効く感じがする。と。
弟子:うん。
師匠:実はね、煙に殺虫成分はないんだね。
弟子:そ、そうなの!!
師匠:熱せられて空気中に飛散した成分が効いているんだよ。
弟子:そ、そうなの!!
師匠:香取線香が煙になる一歩手前の所って感じ?
弟子:煙は熱するための方法ってコト?
師匠:そう。飛散している成分は目に見えないんだね。
弟子:いろいろ語ることがあるじゃないですか。
師匠:もっと語ろうか?
弟子:いえ、もういいです。