標高約600m、長野県飯綱山に由来する火山性土壌の丘で育まれたピノノワールを使用した赤ワインです。
2024年はブドウ樹を植え始めてから、初めてまとまった量のブドウを収穫できた一方で、
自然を相手にする農業の難しさを身に染みて感じ、また、多くの反省と知見を得ることができた年でもあります。
ワインをお楽しみいただけましたら幸いです。
■栽培
2024年は難しい年でした。春先、芽吹きの時期に寒波が襲来、霜害が発生し想定していた収量の3割を失いました。
一方で、霜害により区画ごとに生育がばらつき、芽かき、枝の手入れ、農薬散布といった作業の回数が増え、栽培管理に苦労しました。
そして、夏~収穫直前まで高温が続いたことで虫の活動が活発化。これにより、ピノノワールでは傷みが多く発生しました。
収穫前1か月間は、ひたすら傷んだブドウを一粒一粒取り除き、ブドウの成熟を待ちましたが、糖度の上昇は鈍いまま収穫を迎えました。
一方、ピノノワールとは対照的に、シャルドネは虫の食害は少なく、病気の発生もごくわずかでした。
このため、収穫前日までに傷んだ粒を全て取り除くことができ、収穫においては、一日のうちで最も糖度が高く、
香り成分が保持される早朝に行うことにしました。
私と妻と友人の3人で朝3時より収穫を開始、朝陽が登る前に収穫を終えました(ナイトハーベスト)。
栽培上、難しい年ではありましたが、栽培者としては得るものも多くありました。
全区画で枝の誘引や花カス取りを丁寧に行ったことや農薬散布のタイミングには手ごたえがあり、
ベト病や灰色カビ病といった病気の発生はよく防ぐことができたと感じています。
また、ピノノワールに関しては、クローンや畑ごとに、虫の食害や病気の発生、進行を観察し、果汁分析
(糖度、pH、官能)もこまめに行ったことで、クローンごとの特徴や畑の特性を見出すことができてきました。
■醸造
委託醸造先である塩尻市のVOTANO WINE様までこまめに足を運び、醸造作業を経験させていただきました。
ブドウを一晩冷蔵庫で冷却し、除梗破砕。すぐに圧搾し、デブルバージュせずにアルコール発酵、ポリタンクで約3か月間熟成。
使用されているクローンは6種類です。
■味わい
外観はやや濃いイエロー。抜栓直後は閉じた印象ですが、時間が経つと開いてきます。
香りには、和柑橘、リンゴ、白い花、アーモンドの香りがあります。さわやかな酸とコクのある苦味があり、余韻は短めです。
白身魚のムニエル、菜の花、フキノトウやタラの芽といった春の山菜とあわせていただけるとワインをお楽しみいただけると思います。
(文:TAMAI WINE 玉井さん)
ボディ 甘さ 酸味 果実味 複雑さ 樽香 3 3 4 4 4 1
- タイプ(Type)
- 白ワイン(White wine)
- 生産者(Winery)
- TAMAI WINE
- 産地(Region)
- 日本(Japan)>飯綱町
- 品種(Grape)
- シャルドネ
- 内容量(Volume)
- 750ml
- 備考(Remarks)
- 野生酵母/亜硫酸少量添加