「掛絡(くわら)」とは、僧侶の袈裟の、輪っか状の止め具のことです。
三色の円環は、回り続ける独楽をあらわす伝統的な文様です。この文様は、独楽がくるくると回ることから「物事が順調に回る象徴」として、縁起のよい柄とされ、祝い事の贈り物や、経済繁栄を願うものとして相応しいとされてきました。
独楽柄は、摺り漆に、黒・朱・緑・白・黄などの漆を塗って仕上げます。漆は「塗り」の後に、「研ぎ」という表面に細かな溝をつくる工程をいれることで、塗り重ねていくことができるのですが、独楽の5色はそれぞれ、硬化に7日かかるものもあれば1日で乾くものもあるため、塗りと研ぎを重ねていくのに手間と時間がかかる、非常に贅沢な柄。すべて手作業ですので、1点1点風合いが異なります。その味わいもあわせてお楽しみください。サイズ:約7.8×高さ2.1cm
![]()
三代目 村瀬治兵衛
村瀬家は江戸時代から3代続く木地師の家。 昭和に入り、初代治兵衛か木地から塗りまでの一貫製作を始め、今に至ります。 三代目は1957年生まれ。大学で彫刻を学んだのちに家業につき、2001年襲名。 分業化が進んだ漆器の世界で、全工程を一貫して手がけることは稀有ですが、 それこそがオリジナリティを生み、高い評価を得ています。 国内外の美術館にコレクションされる作品がある一方、暮らしの器も隔てなく作り続けています。