【JAZZ】EUROPEAN JAZZ SOUNDS
ミハエル・ナウラ・クインテット『澤野工房』
【AS052】
Michael Naura : piano
Peter Reinke : alto sax
Wolfgang Schluter : vibraphone
Wolfgang Luschert : bass
Joe Nay : drums
ヨーロッパ・ジャズ黄金期を飾る金字塔!知的で硬質なセンス、正確でキビキビとしたリズム感、しかもオーソドックスなスイング感を忘れない力強い明快なフレーズが魅力。「超激レア盤」が「必須盤」へ、遂にCD化!
【収録曲】
1 Three Seconds
2 Night Flower
3 Dr.Jekyll
4 Down In The Village
5 Gruga Mood
6 Stratosphere
【ライナーノーツ】
味わい深い漆黒のジャケットから漂う貴重盤特有の気配…そんな一種の魅力ならぬ魔力的なオーラを放ちながら、永年レコード・コレクターを虜にし続けてきヨーロッパ・ジャズ最高峰の幻の一枚が、先日の限定アナログ盤復刻に続いて、いよいよ待望のCD化実現の運びとなりました。
今回この究極の一枚のレビュー書くにあたって、はずかしながら僕自身はじめて、この盤を何度も何度も聴き返すことにしました。ある時は車の中で。またある時はデスクのラジカセで。しかしある夜、このアルバムのハイライトとも言うべき“Down In The Village”を、自宅のJBL4344で、いつもより大きめの音で鳴らした瞬間、その魔力のレシピともいうべきサウンドの一遍が鮮明に聴こえてきたのです。僕はその音の衝撃と印象からあることを確信し、即座にその曲の詳細を調べた結果、それがかつて澤野さんの倉庫で聴かせてもらったイギリス最高峰の幻のジャズ・レーベルTEMPOで活躍したタビー・ヘイズが書いた曲であるという事実にたどり着きました。
サックス奏者でありながら、ビブラフォーン奏者でもある彼ならではの卓越したセンスを全面に感じるモーダルな秀曲との再会に、何やら不思議な因果を感じながら、同時に澤野さんがどうしてこの盤を先にアナログ盤では限定発売(追加オーダー無し)という形で復刻したのか、ようやくその時理解できた気がします。
ここには本来、真のレコード・コレクターにしか味わえなかったはずの極みの音が在るのです。さぁ、アナログ盤を買えなかったという貴方、この千載一遇の機会、今度こそお聴き逃し無く!
Text by hirochikano
【録音年:1963年 発売日:2006.1.13】