イギリスのフォード・アンド・サンズ社がエドワードディアン(1901-1910年)に製作した大柄なサービングディッシュ。スタッフォード州のストーク・オン・トレント市バースレムで1860年代に生まれ、1960年代に廃窯するまでの100年ほど同地で操業していた窯元です。
こちらのお皿、「フローリス」と銘打たれている通り、白色釉の上に瑞々しい藍色で種々の花々が印判刷りされた東洋趣味とロココが混じり合った当世風の絵柄。19世紀〜20世紀前期に掛けてフォード・アンド・サンズ社が数多く手掛けた青白磁器の一つで、こちらが作られたのは丁度前世紀の変わり目(イギリス・ヴィクトリア朝の晩期〜エドワード朝期)です。
一品料理用の大皿=ミート・ディッシュとして実用されていた物と思われます。プレートというにはかなり深掘りですので、肉汁たっぷりのロースト塊ないし汁気のある魚料理や煮込み料理を盛るのにおあつらえ向きです。
分厚く、頑丈に作られている食器なので製作から100年を経た現在でも実用できる良い状態。生産年月なりの使用感がありますが、美麗です。