イギリスでヴィクトリア朝期に製作された二人用の喫茶セット。「キャビネット・セット」とも呼ばれる紅茶用の食器で、一切合切をトレーに乗せた状態で収納し、使用の際もそのまま卓上に供して紅茶を楽しむことが出来ます。
こちらのセットを製作したのは19世紀イギリスの陶器産地、スタッフォード州のストーク・オン・トレント市ロングトンで操業していたウィリアム・A・アドリー社。創業者のアドリー氏はビジネスマンであると同時に優れたデザイナーで、同社の生産していた陶磁器はいずれも彼の手によってデザインされた品々です。”カッコー”(郭公)と名付けられたこちらのパターン、シックな赤紫色をベースにしたシノワズリ(東洋趣味)の意匠で飾られています。当時ならではといえる、中国茶器の特徴を継いだ小振りな造作も特徴。
紅茶が稀少な嗜好品だった時代、所謂「ハイ・ティー」と呼ばれた喫茶文化華やかなりし頃の風情を感じさせてくれる品物です。
時代の立っているお品ゆえに実用されていた痕跡が散見され、部分的に金彩が摩耗してなくなっている箇所もあるものの、全体に状態が良く極めて美しい逸品。カップの一客側面に貫入、クリーマーの持ち手の付け根とティーポットの底に薄いニュウ、ティーポットの蓋にカケがあります。画像よりご確認ください。
セット内容
トレイ×1ティーポット×1ミルクジャグ×1シュガーボウル×1カップ&ソーサー×2
※ティーポット蓋の内側にあるで”ツメ”が持ち手側に来るようにしてご使用下さい。(反対=注ぎ口側にして使用すると、蓋が落下する恐れがあります。ティーポットの画像もご確認ください。)