20世紀中期~後期に作られたエッグスタンド(egg cup)です。
第二次世界大戦後、ドイツはベルリンを境に二分され、西側はドイツ連邦共和国/通称西ドイツ(Federal Republic of Germany)としてアメリカを中心とした西欧諸国に、東側はドイツ民主共和国/通称東ドイツ(German Democratic Republic)としてソヴィエト連邦によってそれぞれ間接統治され、その体制は1990年まで続きました。このエッグスタンドはその時代に東ドイツからイギリスに輸出されていたお品の一つです。
地味な色味と飾り気の無い非常に素朴なデザインは時の共産圏(ソヴィエト連邦)下で生まれた美術工芸共通の特徴で、それは秘密警察(シュタージ)による言論統制と国民間の相互監視(反体制主義者の告発)が奨励されていた東ドイツに於いても云える事でした。陶製で、人形、黒猫と木馬で遊ぶ女の子が描かれています。