スーベニアスプーンとは、19世紀末にヨーロッパから世界へ広まった観光地や名所、紋章をモチーフに作られたスプーンの事。
ヨーロッパには「銀のスプーンをくわえて生まれた子供は幸せになれる」という言い伝えがあります。
銀は一生食べ物に困らない「富」の象徴であると同時に、毒に反応する性質から「魔除け」や「健康」を守るものとも考えられてきました。
そのため、赤ちゃんの将来の繁栄を願う贈り物として、銀のスプーンは長く親しまれてきました。
20世紀に入ると、鉄道網の発達や旅行の普及によって観光地を訪れる人々が増え、旅の思い出として手軽に持ち帰ることのできる土産物が求められるようになります。
こうした背景の中で、銀のスプーンを贈るという伝統と結びつき、小ぶりで装飾性に富んだスーベニアスプーンが誕生し、ヨーロッパだけでなく世界中で流行しました。
こちらはオーストリア中部、ザルツカンマーグート地方に位置する美しい温泉保養都市「BAD ISCHL」のスーベニアスプーンです。
裏面に「800 EHJ」の刻印があります。「800」は銀純度80%(コンチネンタル・シルバー)を、「EHJ」という刻印は、おそらくドイツのメーカーまたは工房の略号と思われます。また柄の部分に小さな刻印がありますが、詳細は不明です。
ヴィンテージ品のため、シルバー特有の経年変化(黒ずみ)や小傷があります。銀磨きで磨くことで輝きを取り戻しますが、アンティークの風合いがお好きな方はそのままの状態でもお楽しみいただけます。コレクションや、午後のティータイムに彩りを添えるティースプーンとしていかがでしょうか。