20世紀中頃に作られたクラウン・デイボンのサラダボウル。3匹のロブスターが、深鉢状に広がったレタスの葉を囲むように配置され、そのままボウルの脚になっている大胆なデザインです。
イギリスで19世紀に創業したS.フィールディング社の屋号でもあるクラウン・デイボンの名は1880年代に始まり、1930年に同社が二人のデザイナー※を抱えると、それに呼応する形で制作する作品のデザイン・芸術性も絶頂期を迎えます。1960年代には同じストーク・オン・トレント市のストークにて作陶の名門一族が営んでいたショーター・アンド・サン社を傘下に入れますが、創業者一族最後の一人レジナルドが事業を離れて以降は急速に衰退。その権利と屋号は幾つかの陶器製造業者の手の上を転がって行ったあげく、1980年代末には姿を消してしまいます。
ロブスターの背中に色の剥離したような箇所がありますが、色付け焼成の際に設地部に出来た窯疵(カマヒ)ですのでキズではありません。全体にうすいクレージングがありますが、損傷などはありません。
古いお品ですので、ご了承の上お買い求めください。