特別支援の「子ども理解」よさが生きる教育サポート【太田 俊己・高倉 誠一・中坪 晃一 監修 日本生活中心教育研究会 編著】
かつて、登校してから、昇降口に立ちつくす子がいました。学級に入らず、給食は保健室でとりました。その姿を「集団が苦手」な子と見て、プレッシャーになるから声をかけない対策を続けました。それから約1年半。その子はますます無表情に。担任が交替します。今度の担任は、その子を「仲間と一緒の生活を求めている」子と受け止めました。昇降口でその子も交えて授業をするようになりました。初めて昇降口での授業を終え、教室に戻ろうとしたその時、その子も仲間の動きに誘われて、教室に入ったのです。以後その子は、「自分の学級」で過ごしたのです。子どもの思いまでくみ取って子どもを受け止め、理解することを、この子から学びました。(中略)本書には、子ども理解に伴いがちな失敗例・間違い例も含め、どう子ども主体の「理解」を進めるかの手がかりがたくさんあります。読み取っていただき、参考にしていただければ望外の喜びです。<はじめにより>
―目次―<考え方と方法編>第1章 よさから始める特別支援とは?第2章 特別支援の子どもとは?~知的・発達障害を中心に第3章 実践場面の子ども理解とは?<実践への取り組み編>第4章 実践への取り組みと子ども理解第5章 まとめ「子ども主体の子ども理解」B5判・128ページ