Grigg`s & Apps (94cm Pair)※RCAプラグが別タイプ
Grigg`s & Apps
Grigg`s & Apps
Grigg`s & Appsは二つの系統(Grigg`s とApps)のMIX作となります。HOT側の片側はGrigg`sの線材を使い反対側にAppsを組み合わせました。
この二つの素材の最高のパーフォーマンスを引き出す為にGND材を探します。このGND材の中のキーワードは"1890"つまり1890年に作られた素材をセンターに使っています。
そしてVINTAGEな鉄線を多用しているのは当たり前の事です。これらの組み合わせは、まるで夢のようなトーンを生み出しました。
左右よりも前後に拡がる音場。音の描線は、一聴すると若干、硬質に感じますが(鉛筆で言えばHとか)、、そうではないですね。
中~低域まではしっとりなめらかで弾力があります。その上に硬質な高域が乗っかっていて、さらに、その硬質さが生み出すエッジが、高域以外の「全体の響き」にも絶妙な影響を与えています。
このエッジの「とがり具合」が、このケーブルが出す各音像すべてに対しシャープな輪郭を与えていて、現実の音のようなリアル感を出しています。
だからといってすべてがとがっているわけではなく、リアルに聴こえるために大切な部分だけが適度にシャープ(適度なRをとったエッジのように感じます)なので、耳障りな印象はまったくありませんし、音楽的にとても聴きやすいと同時にリアルさがあります。
まるで「中はしっとりなめらか、外はサクッ」のご馳走みたいですね。こういうケーブル、なかなか出会えません。 基本、どの音楽にもマッチし死角はありませんが、最もメリットを感じたのは金管楽器とスネアドラムです。
金属が響く楽器は、ピークがきついと音色を味わうどころではありません が、サックスやスネアがどんなに音をはりあげても、キツさを感じることなく、その音色からミュージシャンの投げかけた表現を感じ取ることができます。
強烈に押し出された音像が表現の起伏を描き切る
Grigg's & Apps バッハ研究家 新妻雅弘
オーディオというものは、演奏者の表現した「本質」を今ここに再現する芸術である。
それは細部の音がこうであるとか、どうであるということではなく、視聴者が、演奏者が表現せんとしていた「本質」を自己の内部に発見できるかどうかである。
この「本質」を決定づけるには細部の描写が重要なのだが、GAはその「本質」の再現に直結する要素を的確に抽出し、拡大する。その結果、視聴者は、「過去」であるはずの演奏行為を今ここでおこったこととして、強烈な経験をすることになるのだ。古い録音であれば特に、このような「本質再現」に直結する要素が薄くなったりぼやけてしまって、なかなかその本質を強烈に経験できない。GAはこのぼやけてしまった「本質」を的確に再生する。このような効果のあるケーブルは稀である。
その音質は密度が濃く、硬質でエネルギッシュだ。まるでアナログのMMカートリッジを最適にチューニングしたときに聞くことのできる硬質かつ長時間聞いても疲れない柔らかい音なのである。
ケーブルを取り替えるだけでこの音をCDで聞くことができるのであるから、CDよりアナログとお考えの方には是非一聴をおすすめしたい。
万能なケーブルではあるが、特に古楽などのジャンルとの相性は抜群であり、古楽趣味の音楽愛好家にとって購入は必須だ。このケーブルをつかえば作曲者や演奏家に最大限の敬意を払ったことになるだろう。